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zoom RSS 映画評「ホンドー」

<<   作成日時 : 2018/08/27 09:40   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1953年アメリカ映画 監督ジョン・ファロー
ネタバレあり

ジョン・ウェイン主演の西部劇の中で断然知名度の低い作品。監督がサスペンスでは少し良さが出る凡監ジョン・ファローなのでやむを得ない。ミア・ファローの親父さんですな。

騎兵隊の連絡係ジョン・ウェインが犬を連れて荒野の一軒家に現れる。
 子供リー・アーカー君が最初に発見して母親ジェラルディン・ページが現われるという見せ方は先行した「シェーン」の模倣で、苦笑が洩れる。聞くところによれば、製作者も兼ねているウェインが「シェーン」を意識したと言っているそうな。原題も邦題も「シェーン」同様主人公の名前だ。

周囲は不穏な動きを始めたアパッチがうろうろしている状態で、男性なしの状態を見てウェインが移動を進言するが、「夫が少し留守をしているだけで、かつ、アパッチとはうまくやっている」と彼女は主張、意見を受け入れない。案の定ウェインが騎兵隊にアパッチの動向を連絡しに離れた後アパッチが現われるが、酋長が母親を守ろうとした子供の勇気に惚れ込んで、一家の安全を約束する。
 その間にウェインは卑怯な真似をした男、実はヒロインのぐうたら夫を殺し、死体に子供の写真を発見する。写真を持っていたことにより父親と誤解されて彼は酋長に捕えられた時に無事に解放されることになるのだが、それがウェインとジェラルディンとの関係にも影響を及ぼしていく。

「シェーン」は男女の秘めた慕情が切なさを催すが、こちらは案外直情的で、すぐに自分の感情を互いに示してしまうので、面白味がない。終盤のアパッチとの戦いが見どころとして出現するまで、この二人の関係が直接的間接的に主題の綾を成している故に、余りパッとしない場面が続く。アパッチとの戦いは、白人側が円陣を組みつつ進むところが余り例がなく興味深い。

例によって、字幕ではインディアンが“先住民”になっているので気勢が上がらず気に入らない。日本で“インディアン”は差別用語に当たるのだろうか? “先住民”とするくらいなら伏字にしたほうが良い。余程彼らに対する恐怖や差別がはっきりする。
 それで気になるのは、ウェインのインディアンに対する態度である。彼はアパッチの娘を妻に持っていた男で、嘘を嫌う彼らの高潔ぶりを高く評価する一方、白人への嫌悪が全く見えない。これは同時に作品のおためごかし的な態度でもあり、白人に問題があるにしても最終的には白人が正しいというマッチョ的な主張が垣間見える。一見インディアン差別がきつく白人万歳の作品のように見える先日の「許されざる者」(1960年)のほうがはっきりとは見せないものの、見る人が観れば白人批判の作品になっているのである。

女子に対する差別的採点が問題になっている日本の医大入試であるが、アメリカでは人種の差別が問題になっている。アジア系が不利な扱いを受けているというのである。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「ホンドー」
ジョン・ウェイン主演の西部劇だが、このタイトルは初めて聞いた。 ...続きを見る
或る日の出来事
2018/09/01 10:18

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
少し前の版(11版)ですが「記者ハンドブック」には、「インディアン」は使用可、と出ていました。「インディアンうそつかない」など比喩的表現は避ける、とはありましたが。
ボー
URL
2018/09/01 10:33
ボーさん、こんにちは。

>記者ハンドブック
ほーっ、そういう本があるのですか。

>インディアン
そりゃ使用可でしょう^^
比喩的表現は現在使えば問題かもしれませんが、そういう差別が歴然とあった時代を描く西部劇でそうした表現を使ったとしても問題ではないはず。
 例えば、ポリティカル・コレクトネスが行きすぎているアメリカで現在作られる西部劇でさえ英語ではっきりIndianと言っているのに・・・日本のメディアは臆病になりすぎていて「先住民」と訳す(ことを翻訳者に強要する)。
オカピー
2018/09/01 18:59

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