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zoom RSS 映画評「ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦」

<<   作成日時 : 2018/08/26 09:14   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年チェコ=イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督ショーン・エリス
ネタバレあり

戦時中にドイツ人のフリッツ・ラングがアメリカで作った反ナチ映画「死刑執行人もまた死す」と同じ主題を扱っている事実上の英国映画である。

ナチスの占領する祖国チェコに、在英国の亡命政府から派遣された二人の青年ヨゼフ(キリアン・マーフィー)とヤン(ジェイミー・ドーナン)がパラシュートで降り立つ。目的は占領政策を指揮する親衛隊将校ラインハルト・ハイドリヒ暗殺が目的である。
 以降、レジスタンスの一般家庭に匿ってもらい、現地の活動家たちと作戦を立てるが、消極的な者もいてなかなか一枚岩にならない。苦労しつつハイドリヒに重傷を負わせ結果的に暗殺に成功、教会に潜伏する。
 しかし、消極的だった男が親衛隊に情報を洩らした為に教会を取り囲まれ、レジスタンス・グループは数時間抵抗した末に全滅する。

ナチスを扱った作品と言えばホロコースト絡みが圧倒的に多いが、たまに占領・侵略された国々の苦難や苦闘を描くものが作られる。ここへ来てホロコーストものを中心にナチス絡みの作品の製作が増えている感じがあるのは、欧州における右傾化への危惧が背景にありそうだが、同時にナチスの悪行の凄まじさ自体が映画人の背中を押すのかもしれない。本作でも拷問が凄まじい。戦時中はどの国民・民族もひどいことをしますがね。

見どころは後半の暗殺模様から教会での戦いにかける部分で、迫真性が高い。見応え満点である。敢えて臨場感が高いと言わないのは、ハンディ・カメラによる揺らす画面が気に入らないからである。ほぼ全面的に揺れているからアクション場面でのそれが目立つということはないが、画面が揺れる→ドキュメンタリーっぽい→本物らしい、という観客の錯覚を利用した姑息な手段であるという僕の見解は、この映画の感覚では、覆せない。僕の映画観では、臨場感を狙ったと思われるハンディ・カメラ使用が見にくいということもあり、採点的にマイナスになる。

監督は「フローズン・タイム」以来観るショーン・エリスで、共同脚本と撮影を兼ねている。

サブタイトルを付けると、TVのようで安っぽく感じられる。日本の観客はタイトルに内容を求めがちだから、こういうことが起こる。重苦しい本作の場合は特にマイナス感が強い。

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ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦
第二次世界大戦中期の1941年冬、ナチス・ドイツ統治下のチェコスロバキア(チェコ)。 イギリス政府とチェコ駐英亡命政府の指令を受け、チェコの軍人ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュは、パラシュートでチェコの首都プラハに潜入した。 彼らに与えられた任務「エンスラポイド作戦」とは、チェコ国内のレジスタンスと協力し、ナチス3と言われたラインハルト・ハイドリヒを暗殺することだった…。 実話から生まれた戦争サスペンス。 PG-12 ...続きを見る
象のロケット
2018/08/26 11:38

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
同じような題材で、70年代に『暁の7人』がありますが、両作品とも個人的には甲乙付けがたく好きです。
来年にはハイドリヒをメインにした作品も公開されるようです。
ドラゴン
2018/08/27 21:43
ドラゴンさん、こんにちは。

>『暁の七人』
映画自体は憶えていますが、チェコ絡みであることはすっかり忘れていました。
改めて内容を確認してみると、登場人物も同じような感じで、本作の事実上のオリジナルと言って良い内容。
 当時僕も割合好きな作品でしたが、こう忘れてしまうようでは、余りとやかく言えませんね(笑)。
 しかし、ドラゴンさんの世代で、この相対的に地味な1970年代の作品を知っていること自体が凄い。僕はいつも感心しておりますよ。

>ハイドリヒ
アイヒマン絡みもここ数年で数本作られ、そのうち3本観ていますが、ハイドリヒも素材的に人気であるわけですね。ふーむ、複雑な心境です。
オカピー
2018/08/28 17:21

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