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zoom RSS 映画評「イタリア式離婚狂騒曲」

<<   作成日時 : 2018/08/23 08:21   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1961年イタリア映画 監督ピエトロ・ジェルミ
ネタバレあり

1950年代までは悲劇が多かったピエトロ・ジェルミは60年代に入って艶笑喜劇に方向転換した。この作品がその最初と思う。再鑑賞。

現在のシチリア島。貧乏貴族の息子マルチェッロ・マストロヤンニは、結婚して12年経つ不美人の妻ダニエラ・ロッカの色気攻撃にたじたじ、まだ16歳の清楚な従妹ステファニア・サンドレッリに惹かれる余り、妻を亡き者にしようと色々と妄想を抱く。
 愛人殺しのニュースを読みシチリアの風土を生かした名誉の殺人なら罪も軽く済みそうだと実行を視野に入れ、それには一家に不名誉をもたらす妻の愛人を拵えなければいけない。彼女が持っていた昔の手紙からフレスコ画の修復技師レオポルド・トリエステを自宅に招き、二人の仲が再燃するように図る。やがて二人は一家が総出で話題の映画「甘い生活」を観ているうちに駆け落ちし、ここで漸く【名誉の殺人】を実行するチャンスが訪れる。
 しかし、最初にトリエステの細君が男を射殺した為にマストロヤンニは妻を殺す羽目になる。そして、出所後めでたくステファニアと再婚する。

というお話は、後年ダスティン・ホフマン主演で作った「アルフレード・アルフレード」の言わば原型で、どちらも夫婦生活をシニカルに描き出し、相当面白い。

本作では名誉のための復讐を重んじるシチリアの地方色を生かした展開が特に興味深く、可笑しいまでに恐ろしい風土であることがよく理解できる。その点ではメリメがコルシカ島を舞台に描いた小説「コロンバ」に一脈通ずるものがある。

“イタリア人は多情”というイメージに関し、本作に出て来る人々には例外がない。若妻ステファニアはヨットの上で、上半身は夫といちゃいちゃ、下半身はこっそり操舵主といちゃいちゃ。この先が思いやられるという辺り、古くは「デカメロン」の挿話群を思い出させる展開ぶりだ。
 この幕切れは前年公開の「太陽がいっぱい」を意識した可能性あり。

ジェルミ映画に欠かせない映画音楽家カルロ・ルスティケッリは前半「太陽がいっぱい」や「ゴッドファーザー」を思い出させる哀愁に満ちたシチリア風音楽を連ね、後半は悲劇調の荘厳な(故に思わず笑ってしまう)音楽で復讐劇を彩る。

日本人の大半は「ゴッドファーザー」を見るまで家族愛と復讐心の強いシチリア人気質を意識しなかったと思う。

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イタリア式離婚狂想曲
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象のロケット
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