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zoom RSS 映画評「華麗なる激情」

<<   作成日時 : 2018/08/22 09:24   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1965年イギリス=イタリア合作映画 監督キャロル・リード
ネタバレあり

40年くらい前にTVの吹き替え版で一度観ているが、恐らくカット版で余り面白くなかった。今回は完全版で相当興味深く観られた。ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂天井画をめぐって葛藤する様子を描くドラマである。

16世紀初め。彫刻家を自認するミケランジェロ(チャールトン・ヘストン)は、教皇ユリウス2世(レックス・ハリスン)に命じられて、気の進まぬ礼拝堂の天井画に取り掛かるが、教皇の指示する十二使徒の意匠が気に入らず、途中で逃げ出してしまう。逃げ込んだ採掘場で彼は天啓を受け、創世記の絵にすることを決意、教皇もこれを承認する。しかし、製作時間が掛かり、イタリア戦争で苦戦する教皇の催促に根を詰めすぎて体が弱る。一私人として教皇を崇める彼も、芸術家としては譲らないことが多くて教皇と頻々と衝突するが、やがて喧嘩友達的な愛憎関係であることが判ってくる。

天井画誕生秘話という側面を強調した伝記映画で、最初の十分はまるで先日観た美術ドキュメンタリー「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館」の如くミケランジェロの作品数点を完全なドキュメンタリーの形式で紹介し、天井画が彼が進んで取り組んだ作品ではないことを告げて本編に入って行くという構成が少し珍しい。

ミケランジェロがわがままとも思える教皇の真意に気付くのは、芸術家のパトロンであり次の教皇であるジョヴァンニ・デ・メディチ(アドルフォ・チェリ)の妹コシナシテ(ダイアン・シレントー)のアドバイスによる。彼女が両者のバランスを取る狂言回しに近い存在として活躍、ミケランジェロを愛しながら(メディチ家の)子孫を作るために貴族と結婚した女性という設定となっているのも興味深い。Wikipediaなどで調べてもコシナシテなる女性は一切出て来ないので、アーヴィング・ストーンの原作小説か映画の創作なのであろう。

イタリアにロケした効果は十分、最後に出て来る恐らく本物の礼拝堂天井画と比べても落差を感じさせない美術が素晴らしい。70mm映画だから画面が頗る美麗。監督キャロル・リードは畑違いながら、無難に処理した感じである。

今の法王(教皇)は極めて平和的なイメージだが、18世紀までは一種の専制君主。教皇と他の国王との関係は(右翼に怒られるかもしれないが)天皇と幕府の関係に近いのでは? 18世紀以降欧州において宗教は法律の下に位置することになる。

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