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zoom RSS 映画評「汚れたミルク/あるサラリーマンの告発」

<<   作成日時 : 2018/07/16 09:38   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年インド=フランス合作映画 監督ダニス・タノヴィッチ
ネタバレあり

ダニス・タノヴィッチとしては4ヶ月前に見た「サラエヴォの銃声」より古い作品。世界的に大々的には見られなかったらしいが、その理由は中身を見ると少し解る。

1994年パキスタンの多国籍企業に就職した青年アヤン(イムラン・ハシュミ)は病院向けの粉ミルク販売に勤しむが、出張から帰った懇意の医師に、粉ミルクの為に汚染された水を使うことによりパキスタンで凄まじい人数の赤子が下痢を起こして死んでいることを教えられ、一転会社側に販売中止を訴え、それがはねられると医師たちに中止をお願いする活動を始めるが、命の危険を感じて妻子を置いてトロントに逃亡、スカイプを通してドキュメンタリー映画の為に証言するが、色々と問題が起こる。

という内容の実話もので、僕にはこういうストレートな告発ものを観ると味気ない後味を覚える傾向もあり、本作もそういうところがないでもない。
 しかし、「ノー・マンズ・ランド」で世に現れたタノヴィッチらしい反骨精神を強く感じさせるところがあるのは良い。特に、その大企業が日本でもお馴染みの“ネスレ”であることを示した後、劇中の映画を作っている監督(ダニーヒューストン)が名を出すには材料不足として仮称にしようと画面において実際に変更を加えるところは傑作。この監督は事実上タノヴィッチであり、メタフィクションとしてのおとぼけ感がよく出ている。本作で一番映画的なのはこの部分である。

粉ミルクそのものには害がない為“ネスレ”の主張にも一理あって、結局ドキュメンタリー制作は頓挫する。相手にすべきは国家かもしれないが、パキスタンのような賄賂社会ではどうにもならないというのが実際であろう。その結果、映画としては大山鳴動して鼠一匹的な印象を禁じ得ない。

日本では水は素晴らしく清潔でこれを飲んで病気になることはないが、それでも今回の大雨のような災難時には粉ミルクではなく液体ミルクが勧められているらしい。

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