映画評「関ヶ原」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年日本映画 監督・原田眞人
ネタバレあり

近年、TVでは幕末が人気だが、映画では断然安土桃山時代である。ここ一ヶ月で豊臣秀吉が4回出てきた。驚きますなあ。

16世紀末秀吉(滝藤賢一)が亡くなると、五大老の筆頭・徳川家康(役所広司)が天下を奪う野心を表し、他の家臣たちを分断する画策をした結果、義を重んじ豊臣家護持をポリシーとする文治派の筆頭・石田三成(岡田准一)と激しく対立することになる。

ごく簡単にまとめるとこんな物語で、原作は司馬遼太郎のお馴染みの歴史小説。幕末にも安土桃山時代にも本格的な興味がないので、この映画の作り方ではよく解らない。

問題はただ一つ。台詞の三分の一くらいが聞き取れないこと、これなり。歴史に詳しい人なら多少聞きとれなくても流れは解るだろうが、僕程度の知識ではまるで歯が立たないのである。
 しかし、昨今は時代コミックを映画化した若者向けの軟弱(一見そうは見えないだろうけどね)時代劇が多いため、原田眞人という実力者による正統時代劇という点を買って手応え以上の良い☆★を進呈しておく。特に合戦での画面はなかなか良い。ハンディカメラを活用して臨場感があるのである。反面、前半部分で原田監督らしく変な小細工をしているのは不満。およそ時代劇らしいを重厚さとは正反対の印象を醸成してしまう。

原田監督自ら担当する脚色では、秀吉の死ぬまでが長くバランスが悪い。関ヶ原の戦いは秀吉が死んで一気にその萌芽が生れるわけだから、いくら顔ぶれを紹介する役目があるとは言え、およそ2時間半の長さを考えればその部分をもっと詰めるか、逆に全体を30分以上長くする必要があったと思う。

司馬が創作した伊賀のくノ一・初芽(有村架純)を重視したところは現代的と言うべきだろう。

有名な“ほととぎす”の川柳は嘘で、実は家康は気が短かったと言われる。信長の性格も後世の脚色らしいし。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 『関ヶ原』('17初鑑賞98・劇場)

    Excerpt: ☆☆☆☆- (10段階評価で 8) 8月29日(火) 109シネマズHAT神戸 シアター9にて 14:45の回を鑑賞。 Weblog: みはいる・BのB racked: 2018-06-27 13:24
  • 「関ヶ原」

    Excerpt: 関ヶ原の戦いが、どういう経緯だったかを知るにはいいかも。 Weblog: 或る日の出来事 racked: 2018-07-25 22:34
  • 関ヶ原

    Excerpt: 豊臣秀吉亡き後、天下取りの野望を抱く徳川家康に対し、豊臣家への忠義から立ち上がる石田三成。 しかし、秀吉が命じた「朝鮮出兵」以来、豊臣家「官僚派」の代表格である三成と「武断派」の武将たちは、対立を深め.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-07-27 10:52