映画評「グリーンルーム」

☆☆(4点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ジェレミー・ソルニエ
ネタバレあり

ブルー・リベンジ」という注目すべき暴力映画の小品を作った新鋭ジェレミー・ソルニエが、やはり暴力をテーマに作ったホラー映画である。

全く売れないし、大物になる気もなさそうなパンク・ロック・バンドが、知り合いのツテでネオナチの巣窟であるライブハウスに赴き、帰る間際に携帯を取りに戻った楽屋で、少女が殺されているのを発見してしまい、証拠隠滅の為に殺そうとしてくる一味から逃れてそこに閉じこもる。

というのが第一段階で、暫し部屋の内外での交渉模様が描かれる。

バンドのメンバーは一昨年交通事故で亡くなったアントン・イェルチンや紅一点アリア・ショウカットなど4人だが、部屋にはもう一人美人イモージェン・プーツがいる。ここからが第二段階。
 やがてイェルチンが手に重傷を負う抗争の後ドアの外に誰もいない状態の時に楽屋から出、今度はもっと大がかりな出入りとなり、結局イェルチンとイモージェンだけが生き残り、屋外でライブハウスの経営者と言うかネオナチ・グループのリーダーたる初老パトリック・スチュワートなどと対峙することになる。

資力のない映画関係者はお金の掛からない密室的な状況を好むが、これがまるで面白くない。登場人物の好感度が重要なジャンル映画にありながら、このパンク・ロックの連中は音楽の趣味も余り良くなく、犯罪者寸前の連中だから、見ていて力が入りにくい。それがこの作品の最も重大な瑕疵である。サム・ペキンパー「わらの犬」の終盤を長くしたような話で、ホフマンの先生なら応援する気になってもこちらにはさほどでない。そうは言っても、悪党であっても主人公を応援するのが観客の習性であるから、多少はハラハラするのだが。

加えて淀んで見通しの悪い画面が全く見る気を失わしめる。場面の繋ぎも要領を得ないため途中で完全に集中力を失い、半分くらいは惰性で観続けた。アメリカでは実力を考えると相当高い評価がなされているが、監督の努力以上に勝手に怖がっている感が強い。

ブルー、グリーンと来て次は何色?

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