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zoom RSS 映画評「ニューヨーク、アイラブユー」

<<   作成日時 : 2018/03/02 09:22   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2008年アメリカ=フランス合作映画 監督チアン・ウェン、ミーラー・ナイール、岩井俊二、イヴァン・アタル、ブレット・ラトナー、アレン・ヒューズ、ジェカール・カプール、ナタリー・ポートマン、ファティ・アキン、ジョシュア・マーストン、ランドール・バルスマイヤー
ネタバレあり

パリ、ジュテーム」(2006年)の姉妹編だが、今頃になりました。繋ぎも合わせると11話もあるので面倒くさいが、前述作同様個別にお話に触れてみましょう。

若者ヘイデン・クリステンセンが美人レイチェル・ブリスンを追いかけ掏摸行為を利用して接近しようと試みるが、彼女の連れアンディ・ガルシアが上手を行く掏摸で、軽くあしらわれてしまうのがチアン・ウェン監督の第一話。

第二話はインド出身の監督ミーラー・ナーイル監督作品。信心深いユダヤ教徒の宝石仲買美人ナタリー・ポートマンがジャイナ教徒の宝石商イルファン・カーンから尼僧になった妻の話を聞いてつるつるになった頭をさらす。坊主になった理由がユダヤ教に関係があるのかよく解らないなど一人合点が目立つが、少し味がある。

わが邦の岩井俊二監督の第三話は、映画音楽の作曲家オーランドー・ブルームが作品を理解する為に渡された「カラマーゾフの兄弟」を通して監督のアシスタントのクリスティナ・リッチと出会う。ピンと来ず。

第四話は二段構えのお話で、最初は街角に佇む美人マギーQを人妻と思い込んで落とそうと下ネタ話を繰り出すが、相手がコールガールと判って唖然。その彼女と店ですれ違った中年紳士クリス・クーパーは外で中年女性ロビン・ライトから挑発的な話を聞かされるが、二人は実は夫婦で互いの愛情を確認する。短編らしい洒落っ気がよく発揮された一編で、監督はイヴァン・アタル。

続くブレット・ラトナーの第五作も少し行ける。失恋したアントン・イェルチンが薬剤師ジェームズ・カーンからプロムに連れて行けと写真で美人オリヴィア・サールビーを紹介されるが、彼女は何と車椅子の人。しかし、プロムの後めでたく肉体的に結ばれる。そのまま公園で寝てしまって慌てて帰ると、彼女はメソッド演技法を実践する女優と知らされ呆れ返る。

第六話はアレン・ヒューズ監督だが、映画が終った後全く思い出せない印象の薄い作品。ワン・ナイト・スタンドのつもりで交わったブラッドリー・クーパーとドレア・ド・マッテオが互いに再会を期してバーへ出かける(という話だったらしい)。

ジェカール・カプール監督の第七話は、ホテルに泊まった元声楽家ジュリー・クリスティーの体験を綴る。甲斐甲斐しく業務をこなしたボーイのシャイア・ラブーフが突然窓から落ちて死ぬ。これは老ホテルマン(ジョン・ハート)が現れたことから幻影だったことが判る。これも一人合点だが、幻影譚として一通りの印象を残す。

続くのはナタリー・ポートマンの監督作品で、こちらには出演していない。黒人男性カルロス・アコスタが六歳くらいの白人少女テイラー・ギアと遊び相手をし、夜になり母親ジャシンダ・バレットに返す。他日、テイラーちゃんは舞台で踊りを披露するアコスタに「パパ」と声援を送る、という落ち。このオムニバス映画らしい落ちの一編と言うべし。

病気を患っているらしい画家ウグル・ユーセルが中国茶店の店員スー・チーにモデルになってくれないかと声をかけるが、断られる。後日気の変わった彼女は画家の死んだことを知り、整理中のアトリエで彼女をモデルにしたらしい未完成の肖像画を拾うと、自分の写真の目を張り付ける。というのがファティ・アキンの第九話。

最後は、腰を痛めた老夫イーライ・ウォーラックを煩いまでに心配する老妻クロリス・リーチマンの愛情交換模様。ほぼ男女の愛を綴ってきた本作の最後を締めくくるにふさわしい滋味溢れる佳編である。監督はジョシュア・マーストン。

そして、その全てを女性映像作家エミリー・オハナが捉えている、という形でエピソード群が繋がれる(監督はランドール・バルスマイヤー)。

フランス語で言うコントのような物語で構成されているが、オー・ヘンリーの短編集を読む如き味わいと言った方が解りやすいだろう。一人合点が目立つ挿話が幾つかあるものの、そういう挿話にも一通りの味があり、なかなか捨てがたい。但し、「パリ、ジュテーム」のほうがトータルの面白味で優るような気がする。

人種のるつぼというわけには行かない東京ではちと作りにくいオムニバスですかな。

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