映画評「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督レベッカ・ミラー
ネタバレあり

女優上がりで脚本を書いたり監督もするレベッカ・ミラーの風俗コメディーである。

大学で働いているグレタ・カーウィグは、元数学研究家ビル・ヘイダーから精子提供を受けて子供を作るつもりでいるが、大学で講義をしている文化人類学者イーサン・ホークが小説を書いているのに興味を持つうちに憎からず思うようになり、彼から愛情を告白されて結ばれ、娘(アイダ・ロハティン)を設ける。
 3年後ホークに軽んじられていると感じたグレタは、彼の前妻ジュリアン・ムーアと意気投合して彼を元の鞘に収めるよう画策する。それがホークにばれてゴタゴタするが、画策するまでもなく二人は元の鞘に戻る。

脚本も書いたレベッカ・ミラーが随所に茶目っ気を発揮した愛すべき小品である。
 グレタとホークが歩きながら話す場面ではホークが主演した「恋人までの距離」シリーズよろしくトラック・バック(正確にはドリー・バック)の長回しをし、グレタ主演の旧作「フランシス・ハ」のムードを取り込んでいる。
 前者故に時にウッディー・アレン的であり、後者故にフランソワ・トリュフォーのコメディー作品にも似ているということになる。

ジム・ジャームッシュのおとぼけ感もあると思うが、それが一番発揮されるのは幕切れである。これが傑作なのである。即ち、
 スケート場でグレタの友人たちが彼女の娘について「数字好きなんて誰に似たのか」と疑問を呈していると、そこへヘイダーがやって来るのが見える。彼女がホークの突然の出現で失敗したと思っていたヘイダーの精子利用はどうも失敗していなかったようである・・・という落ちなり。

ホークはジュリアンと復縁し、娘はホークの血を引いていない、全てご破算という次第で、恋愛風俗劇としてシリアスに作ればいくらでも出来るところを軽妙な喜劇にした点が殊勲。少々中だるみするので、☆★は少なめにしたが、映画研究家におかれては必見だろう。

僕も甥っ子(マンチェスターのほう)も数字好き。幼稚園くらいの時、甥はTVの株式市況を一生懸命に見ていた。

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  • マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ

    Excerpt: アメリカ・ニューヨークの大学で働くマギーは、妻子ある文化人類学者ジョンと出会い恋に落ちる。 コロンビア大学教授のキャリア妻ジョーゼットとの結婚生活に疲れ果てていたジョンは、離婚しマギーと再婚した。 ….. Weblog: 象のロケット racked: 2018-01-04 08:53