映画評「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年アメリカ映画 監督ローランド・エメリッヒ
ネタバレあり

宇宙人侵略ものは、21世紀になってVFXの発達に伴い粗製乱造されてすっかり有難味がなくなっているが、そうなる前の最後の大作が「インデペンデンス・デイ」だった。巨大宇宙船に度肝を抜かれ、映画としてワクワクされられる出来栄えで、15年ほど前にホームページで試みた宇宙侵略ものベスト10の中に入れたものである。
 続編が作られることはないと思っていたら、監督はローランド・エメリッヒが続投、一部の出演者(ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマンなど)が正編からの引き続き出演する正式なものが作られた。

20年前、宇宙人との戦いに勝利して平和だけでなく先進技術を得て宇宙開発も進んだ地球に、再び宇宙船が襲い掛かってくる。最初の宇宙船は地球側の勘違いだったが、いずれにしても前回負けた連中が再び襲撃をかけてくる。

連中の今度の目的は地球のコア吸い上げで、それがタイム・リミット型のサスペンスの要件を構成する。その阻止の為に繰り広げられる、科学者ゴールドブラム指導による昆虫型(?)宇宙人女王壊滅作戦、前線連中の戦闘、宇宙戦争の粋を集めている別の宇宙人(ヴァーチャル化して実存がない)を守る基地での攻防などを並行させることで、実に大がかりの見せ場が最初から最後まで続くのだが、この作戦が映画としては失敗。
 観客が徐々に気分を盛り上げていく間もなく、よく解らないまま、賑やかな本番に入ってしまうので、特にTVで観ると一向に面白味が出て来ない。やはり映画はそこに至るまでに色々と説明をし布石を重ねて、クライマックスを迎える形で進行しないと、言わばバスに乗る前に発車されてしまう格好になるのである。

後半は大分盛り返すが、並行描写で進行するために散漫に・・・見ているこちらの気分が散漫化してしまう恨みは否定できない。戦闘場面にがちゃがちゃしてよく解らないところが少なくないのも不満である。

この作品が作られた後大統領にえらばれたトランプが「アメリカは世界の警察をやめる」と言いながら、何かあれば結局動きたくなるのはこれまでと変わらないらしく、本作の大統領は実際のアメリカを反映、前作同様「アメリカ万歳」映画になっている。作りが粗いため前作よりそれが気になるのが問題と言うべし。

現在アメリカの大作は中国市場をターゲットにしているので、またもや中国人が活躍する形で登場する。この20年間で時代は変わったものだ。

5人がかりの脚本でこの様(ざま)。船頭多くして船山に上る・・・代わりに沈没寸前といったところじゃろう。

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