映画評「ジョン・ウィック」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督チャド・スタエルスキ
ネタバレあり

WOWOWのパンフレットでの扱いが余りにも地味だったので見落とすところだったが、拾い物的なアクションである。星は☆☆☆でも、このタイプの作品でごくシンプルな内容だから、実は相当褒めている。

病気で愛妻を失った元ロシアン・マフィアの殺し屋キアヌー・リーヴズが、親分ミカエル・ニクヴィストの不肖の息子アルフィー・アレンに、彼女が死ぬ時に残してくれた犬を殺され愛車のマスタングを奪われたことから怒り心頭に発し、変な掟のある殺し屋専用のホテルに泊まって、警護を固めるアレンを狙い、仲の良いウィレム・デフォーや美人の殺し屋エイドリアンヌ・パリッキなど親分の派遣する殺し屋連中の攻撃をかわして、復讐に邁進する。

という単純至極なお話で、面倒くさい理屈もないから、きちんとアクションを見せてくれさえすればニコニコ見ることができる。とは言っても、同じ図式のアクションを延々と見せられると途中で退屈してしまうのが落ちだが、本作の場合、ガンファイト、格闘、カーアクション等と手を変え品を変え進行するので、飽きが来にくい。

今回が初メガフォンというチャド・スタエルスキという監督がスタントマン出身なので、アクションをしっかり捉えているのが何より良い。ミディアム・ショットからフルショットのアクションを数秒単位で見せてくれるので、1秒以下のカット割り(でしかもクローズアップ多用)が当たり前でアクションの醍醐味を全く無視する時代にあって、嬉しくならざるを得ないのである。 

お話全体は新味不足で最後も型通りながら、殺し屋御用達のホテルという設定は面白い。

犬は妻の代わりを果たす愛情や思い出のメタファーであるから、主人公が怒るのは当たり前。息子の言うような「たかが犬」ではない。それを親分は解っているが、息子可愛さの為に関係者が大勢死ぬ。考え方によってはシェークスピア的な悲劇である。

龍三と七人の子分たち」の詐欺師と同じへまをするバカ息子。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2016年08月14日 11:34
どうも、どの世界でも二世というのは碌でもない奴が多いようですな。
愛する犬を殺されて復讐するという話は小説にもありまして、アンドリュー・ヴァクスという小説家の私立探偵バークシリーズがありますが、現在は絶版のようであります。
詩情豊でよい小説なんでありますがね。
オカピー
2016年08月14日 22:40
ねこのひげさん、こんにちは。

残念ながら作品の質とヒットは一致しませんねえ。

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