映画評「約束の地」

☆☆(4点/10点満点中)
2014年アルゼンチン=デンマーク=フランス=アメリカ=メキシコ=ドイツ=ブラジル=オランダ合作映画 監督リサンドロ・アロンソ
ネタバレあり

2014年度カンヌ映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞したというアルゼンチン映画(欧米諸国との合作)である。

19世紀後半アルゼンチンのパタゴニア、同国政府の要請で原住民討伐に参加したデンマーク人大尉(ヴィゴー・モーテンセン)は、何故か連れている15歳の娘(ヴィールビョーク・マリング・アッガー)が恋仲となったある兵士と逐電し、その行方を追ううち、犬に導かれて洞窟に住む謎の老婆(ギタ・ナービュ)と出会うが、謎めいた会話をした後再び荒野を彷徨し始める。

ここでこのお話は終わって、現代に時が移り、屋敷に住む少女がベッドから起きて皮膚病になった愛犬と戯れる。彼女は犬の病気は自分のいなかった間のストレスが原因であろうと推測する。

という二部構成で、左脳的な分析を全く拒絶する内容である。左脳派の僕には納得しづらい所以で、さすがにそれだけではつまらないのでテキトーに考えてみる。
 乱暴ではあるが一番それらしいのは、最初の19世紀のお話が、後段に出てくる娘の夢の中の出来事であるという解釈。同じ種類もしくは同一の犬が両者を繋ぐ案内人みたいなもので、娘も大尉の娘と同一子役が演じているようでもあるし、何かに触発されてこんな夢をみたのだろう、と思えば話として一応の論理性を持つ。但し、それが正しいかどうかは誰にも解らないし、監督自身も本人の中ではともかく、観客の自由な想像に任せている感がある為正解はないというのが実際なのであろう。

いずれにしても、本作の価値はそうした幻想的なお話を成立させるために工夫を施した画面である。他の映画と少し違う発色に加え、四隅を丸く切り取ったスタンダード・サイズがノスタルジーを醸し出す。映像自体もフォトジェニックで、画面の貢献度高し。

全体のムードは、水を繰り出して徹底してウェットな質感であったアンドレイ・タルコフスキーをドライにした感じ。これで未鑑賞の方もほぼ感じが解ると思う。

こんなタイトルですが、ユダヤ教、キリスト教とは関係お話でありました。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2016年05月29日 18:36
なんかよくわからん話でありましたが、映像はまあ良かった。
オカピー
2016年05月29日 20:24
ねこのひげさん、こんにちは。

中盤以降非常に眠くなりました。
映画館で見ていたらかなりの確率で寝たでしょうね(笑)

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