映画評「神様はバリにいる」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・李闘士男
ネタバレあり

"How To"ものをベースに映画化、それもドキュメンタリーでないというのが面白い。

800万円の借金を背負って自殺しようとバリ島にやって来た自営業者・尾野真千子がボランティアの眼科医・玉木宏に止められ、現地で成功しているアニキこと堤真一に引き合わされる。一見成金ヤクザであるが、地元の住民に人気のある実業家で、彼の繰り出すシンプルな一見バカバカしい一行訓の数々により立ち直っていく。
 そんな彼も作ろうとした幼稚園設立が頓挫するという事件に遭遇するが、様々な縁により彼は立ち直り(彼は落ち込んでいないと言うが、勿論、嘘)、設立の許可も(舞い)降りる。

彼の経営哲学即ち人生哲学の面白味が本作の真髄である。本では良くても映画にすると余りにストレートで鼻白まないでもないが、人生探求者少なくとも哲学者ではない本作の鑑賞者の大半にはかく直球でないと胸に迫らない。それは確かである。ストレートだから喜劇味も出る。

映画は誠に他愛ないギャグ(おやじギャグと俗に言われるダジャレの類)を全編に配する純コメディーで、喜劇性により人生訓の生硬さを減殺する作戦。だから、この手のお笑いがお好きでない方には、眼目の人生哲学をベースにした物語の紆余曲折も作為的すぎて楽しめないかもしれない。

バリではなくてパリかと思ったよ。神様ではなくテロリストはパリにいる。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年11月29日 09:40
尾野真知子さんは好きな女優の一人でありますが・・・どこぞのセレブな経営者と結婚したのにはガッカリ。
彼女はそういうタイプではないと思っていたんですがね。
『テロリストはパリにいる』・・・いずれ映画に・・・生生しくて当分の間無理かな?
長年にわたり、英仏がシリアあたりに対してやってきたことを思えば、テロと呼ぶべきではないかと昨今は思っておりますけどね。
オカピー
2015年11月29日 20:13
ねこのひげさん、こんにちは。

僕は、アラビアのロレンス(英国)がアラブに禍根を残したと思っていますよ。
イスラム社会全体を捉えれば、アフガニスタンへのソ連侵攻、それに対するアメリカの関与、イラク戦争・・・
西側帝国主義は、その土地のものにして見れば、ひどい。
十数年前僕は「アメリカに帝国主義はない」と言っていましたが、二回目のイラク戦争以降植民地主義とは違う帝国主義があると考えを変えましたよ。

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