映画評「子連れじゃダメかしら?」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督フランク・コラチ
ネタバレあり

アダム・サンドラーとドリュー・バリモアの共演したコメディーであるから本邦公開作品と思って見たら、何と未公開とな。配給会社が公開を見送った理由は定かではないが、子連れではさすがにロマンティックではなく客が呼べないと踏んだのかもしれない。

お話はシンプル。
 娘ばかり3人の子持ちのシングル・ファーザーたるサンドラーが、息子ばかり2人の子持ちのシングル・マザーたるドリューと見合い(ブラインド・デート)をするが、結果はさんざん。ところが、互いのクレジット・カードを間違えて持ち帰ったことに気付いた彼が彼女の家を訪問したことから、偶然にも彼の上司と彼女の同僚とがアフリカ子連れ旅行を計画中と知り、夫々の名義で旅行を敢行すると、アフリカで鉢合わせして否応なしに交流せざるを得なくなる。
 夫々の子供との相性が良いことが判って本人たちも次第に打ち解ける(原題のBlendedの意味がそれに近い)ようになるものの、彼には死んだ妻に対する未練があって先に進むのを躊躇するものがある。それを代弁するのが見えない母親と話をする次女の、ドリューを母親に優先したいという思いである。これに力を貰ったサンドラーが彼女の家に行くと、今度は復縁を希望する元旦那が現れる。
 しかし、この元旦那は子供のことなど眼中になく、へなちょこバッターである次男の試合に応援にやってくるのはサンドラー。

というお話は、1930~40年代に流行したスクリューボール・コメディー(仲の悪い男女が紆余曲折の末に結ばれるロマンティック・コメディーの一種)の要素を多分に持ち込んでいる。そういう意味では、サンドラーとドリューはその時代の代表カップル、ケイリー・グラントとキャサリン・ヘプバーンに相当するが、サンドラーのタイプから言えば、スペンサー・トレイシーとキャサリンの関係に近い。若い人には何を言っているか解りませんかな。

昔の話はともかく、下品路線を邁進中のアメリカ喜劇に対する失望感が強いこともあって、なかなか楽しめた。本作とて上品千万と言うわけではなく、シチュエーション的にも強引であるが、男っぽく育てられた長女を筆頭に五人の子供のキャラクターが頗るバラエティーに富んで面白く、サンドラーやドリューが大して意識のないまま互いの子供を上手く指導鞭撻していく様子が明朗で好感が持てる。子供たちの点出こそ最大の得点源と言うべし。

スポーツ要素を多く取り入れたのがいかにもアメリカ的で、“タトゥー”という変な音楽グループ(本当の名前は、テリー・クルーズ&ジュニア・マンバゾ、とかいうらしい)がアフリカ以降の進行役となっているのも楽しい。

「可愛いだけじゃダメかしら」という邦題の作品もあったなあ。この記憶により公開作品と勘違いさせて観させる腹積もりじゃろ。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年10月18日 04:47
腹積もり・・・・まあ、そうでしょうね。
でもやっぱり駄目だろうと踏んだんでしょうね。
けっこう、日本公開されない作品は多いようですね。
邦画でも、結構公開されないのがあるようですからね。
オカピー
2015年10月18日 18:24
ねこのひげさん、こんにちは。

観るだけなら今の倍でも行けますがねえ。
書くとなると公開作品の方が、まあ、有難いといったところ。

>邦画でも
そのようですね。
日本映画で「未公開」と書いてあると不思議な感じがしますが。

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