映画評「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」

☆☆★(5点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督R・J・カトラー
ネタバレあり

ゲイル・フォアマンという作家の手になるYA小説の映画化。

西海岸、両親が元パンク・ロック関係者なのにチェリストを目指している女子高生クロエ・グレース・モレッツが、恋人になった高校生ロッカーのジェイミー・ブラックリーとの恋愛の為に地元に残るか、合格も視野に入っているジュリアード音楽院入学の為に東海岸へ行くか、という選択に悩んでいる冬のある日、凍結したスリップ事故で車が大破してしまう。

というところから始まるファンタジーで、両親と弟と一緒に病院に運び込まれた彼女が幽体離脱して自分を含め周囲の様子を見て回り、その狭間に進路を巡って関係がぎくしゃくしたブラックリー君との日々を回想していく。

ファンタジーの外観を装いながら、眼目はYA小説らしくロマンスで、「な~んだ」ということになるが、幽体離脱が生死の決定を左右するという着想はなかなか面白い。
 ヒロインが看護婦や祖父ステーシー・キーチの言葉などから励まされる面がある一方、両親や弟が死んでしまったことを知ってマイナスに働く面もあり、ファンタジー形式にした効果が一応出ている。しかし、回想部分が多い為に通常のロマンス映画と大差がなく、その着想を十分に活かし切れていない。

それでも、全体的に、日常生活時の進路、幽体離脱中の生死の選択と、【選択】を通奏低音に「うまくまとめたな」という印象はある。

クラシックとロック(実際にはパンクというよりフォーク・ロック)と全く違う音楽が色々と出て来るのもお楽しみ。

彼女が意識を回復する幕切れのところで車のバックする時に発するピーピー音が丁度重なり、面白い効果があった。最初は映画の音と思ったのでもう一度観たら、そんな音は入っていなかった。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年10月11日 18:07
普通、ジュリアードに迷わずに行くと思いますけどね。
先日、『思い出のマーニー』を地上波でやっておりましたが、なかなかうまいものでありました。
宮崎駿さんならどう作ったかな?なんてちょっと思いましたけどね。
オカピー
2015年10月11日 21:03
ねこのひげさん、こんにちは。

>ジュリアード
それが恋の悩ましいところ、という主題なんでしょうね。
しかし、恋人君にもう少し理解があっても良いとは思いました。すれば、彼女は悩みませんものね。

>『思い出のマーニー』
観ました。なかなか良かったですね。
今週半ばにアップしますので、お楽しみに(笑)

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