映画評「オールド・ボーイ」(2013年版)

☆☆★(5点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督スパイク・リー
ネタバレあり

日本のコミック(作:土屋ガロン、絵:嶺岸信明)を韓国のパク・チャヌクが2003年に映画化した「オールド・ボーイ」はインパクト抜群で、暫く韓国映画から目を離せないと思わせた。それをスパイク・リーがリメイクしたと聞き、大いに注目して観てみる。

人品卑しいサラリーマン、ジョシュ・ブローリンが泥酔した後テレビのある密室で目覚め、食事(餃子ばかり)は与えて貰えるが、外を見ることもできない。TVによれば、彼は妻を殺した犯人に仕立て上げられていて、残された娘がバイオリニストとして成長していく姿を見せられた結果、立派な父親になることを誓って体を鍛え始める。外に出た暁には復讐を果たし、娘に真相を告げ心情を理解してもらう為である。
 20年後遂に解放され、街角で知り合った医療ボランティアの美人、エリザベス・オルセンと共に、監禁を実行した一味と場所を突き止め、こてんぱんにやっつけるが、依頼した張本人は解らない。
 やがて依頼人シャールト・コプリーが自ら姿を現し、二日以内に自分の正体と監禁した理由をつきとめたら監禁している娘を解放するが、この問いに答えようとしなかったり不正解であった場合は娘を殺すと脅迫する。かくしてブローリンは必死の調査に乗り出す。

韓国版を観た時は全く思わなかったが、前半はまるで「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」である。しかし、それでは感動物語になってしまうので、韓国版を下敷きにした激しい白兵戦の後の、【言わぬが花】の仕掛けが見どころとなる。

作品の鍵となるのは携帯電話である。恐らく携帯電話普及前に監禁された彼が友人マイケル・インペリオリの前に現れた時に最新型(スマホ? 個人的に携帯を持ったことがないので解らない)を携帯しているのは、監禁終了前に渡されていたという理解で良いのであろう。着信のメロディーが次のステップとなるのも敢えてブローリンに解るように依頼人が仕向けていたと理解できる。一方、依頼人の眼目らしいことをブローリンがやるかどうかは極めて出たとこ勝負的であり、これを為さなかった場合犯人(依頼人)はどういう行動に出たのであろうか? とにかく、この手の作品においては、一番面白い部分がマナー上詳しく書けず、不都合この上ない。

韓国版のインパクトと比べて大分落ちるのは、作品それ自体に帰する部分もあるが、大部分はこの10年間に余りに大量の監禁もの・密室ものを観せられすぎたせいである。証文の出し遅れというやつで、何だか気乗りがしないのである。

監禁ものブームも大分下火になってきたみたいですが。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年06月07日 13:54
どんなに美味しい料理でも毎日食べさせられたら飽きますからね~
リメイクも新鮮なうちにやらねばいかんという事でしょうね。
オカピー
2015年06月07日 17:07
ねこのひげさん、こんにちは。

>リメイク
日本の映画ファンは、本当は、アメリカのリメイクを見る必要はないんですよね。オリジナルを見ていることが多いので。
アメリカの大衆は、ほかの国の映画などまず観ないから良いわけですが。

しかし、リメイクの問題とは別に、ゾンビか吸血鬼かアメコミか監禁か、というくらい一時は多かったですね。

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