映画評「大脱出」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督ミカエル・ハフストレム
ネタバレあり

エクスペンダブルズ」シリーズで既に共演しているので有難味が薄いが、アクション映画の二大巨頭シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが本格共演した脱獄アクション。

素材的にはありふれているものの、スタローンが刑務所の弱点を探る為に自ら囚人として脱獄を繰り返すセキュリティ・コンサルタントという設定が新味である。それだけではまだ弱いので、住所も知らされていない刑務所自体が面白味を提供する素材となっている。映画としては後者の部分で得点を稼いだ形。
 即ち、スタローンが体内に装着した追跡装置を事前に取り外されてしまった為彼の仲間たちも協力できず、全て内部において自力で場所を特定し、脱出する手段を講じなければならない。この段取りがアクションではなく頭脳中心になっているので興味深くなっているわけである。ま、この手のアクション映画につき詰めていけば疑問が百出することになるので、その辺は目を瞑ることにする。

最初に協力者に選ぶのが囚人のボス的存在のシュワルツェネッガーというわけで、スタローンはシュワから大物犯罪者の居場所情報を得ると所長に見せかけることで頻繁なる接近を可能ならしめ、さらに仲間に加えたイスラム原理主義テロリストに渡した六分儀から居場所を狭めていくミステリー的趣向が面白い。

本作においては刑務所自体が最大のミステリーであり、ネタバレをするかしまいか悩ましいところであるが、要は移動する刑務所であるということだ(詳細は伏せても推して知るべしでしょう)。

で、ミステリー趣味が終わるといよいよスタローンとシュワによるアクションが大々的に繰り広げられることになるが、さすがに二人特にシュワにかつての動きを求めるのは辛いし、長すぎることはないにしても少々もたれて映画としては竜頭蛇尾的な印象になる。それでも、「エクスペンダブルズ」シリーズより趣向的に楽しめる要素が多いのが有難く、最後二人の会話は楽屋落ちになっているのでベテラン・ファンならばニヤニヤしながら観終えるにちがいない。

1990年頃この顔触れが実現していたら、それこそ大ヒットしただろうなあ。それぞれ単独で稼げなくなったから実現した企画なのだろうけど。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年01月12日 17:44
ベテランとしてはニヤニヤとしてしまう映画でありました。
多少の矛盾は許しましょう。(*_*)
オカピー
2015年01月12日 19:26
ねこのひげさん、こんにちは。

今の若い人にとっては、映画ファンになりたての僕がジョン・ウェインやジェームズ・スチュワートの映画を観たような感じなのでしょうねえ^^

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