映画評「お嬢さん、お手やわらかに!」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1959年フランス映画 監督ミシェル・ボワロン
ネタバレあり

太陽がいっぱい」でスターダムに上がる前のアラン・ドロンが主演したラブ・コメディーで、少年時代によくTV放映されていた。が、現在ではかなり貴重品になっているらしく、今回観たものは20年ほど前にWOWOWで放映されたもの。アメリカで公開された時と同じ95分バージョンで、日本公開時より5分短い。

現在のドン・ファンを気取る二枚目ドロンに振られた腹いせで年上の冴えない男と結婚したパスカル・プティの挙式パーティーに当のドロンがやって来て、彼女だけでなく友人のミレーヌ・ドモンジョにも色目を使う。そのミレーヌには寄宿学校となっている修道院で勉強をしている美人の親友ジャクリーヌ・ササールがいて、ドロン君は二人が会っているところを見かけるや従兄と称してジャクリーヌに会いに行く。
 彼の中ではジャクリーヌが本命だが、彼がラテン美人アニタ・ルフと婚約中と知って腹を立てた三人が彼を毒殺しようと計画を立てた為、彼らの親やラテン美人をも巻き込んで大騒動になる。

ミシェル・ボワロンらしい他愛ないコメディーであるが、さすがに才気煥発で洒落っ気がいっぱい、頗る楽しい出来栄えとなっている。

などと言うのも何回か観ている僕にとっては今更だから、ジュリアン・フェナルという主人公の名前に注目してみたい。「赤と黒」のジュリアン・ソレルを思い出させるからで、かのジュリアンは出世のために女性の愛すら利用する野心たっぷりの若者でドン・ファンとは全く違うタイプではあるが、作品の中にも映画版でソレルを演じたジェラール・フィリップの名前が出てきてニヤニヤさせるのである。「太陽がいっぱい」のトム・リプリーは言わば現代のジュリアン・ソレルでしたな。

しかし、この作品ではドロン氏よりフランスの三人娘を楽しむのが一番。製作時は彼女たちの方が多少有名だったのではないだろうか。

邦題も洒落ておりましたね。

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この記事へのコメント

2014年10月09日 02:32
フランク・シナトラの声をやった家弓さんが亡くなりましたね。
色々なものが過去形になっていくようで・・・・残念なことです。
邦題のタイトル・・・淀川さんかな?
いかにも映画好きがつけそうなタイトルでありますね。
オカピー
2014年10月09日 20:45
ねこのひげさん、こんにちは。

>家弓さん
慌てて新聞を見ましたら、載っていました。
新聞では「ナウシカ」のほうが最初に出ていましたが、僕らの世代ではフランク・シナトラですよね。「黄金の腕」とか「裸のランナー」とかこの声で観たものです。
自分の体調が悪くていつ死ぬかと戦々恐々としていて他人の生死を気にする余裕がないのでありますが、単なる自律神経失調症という噂もあります^^;

>淀川さん
1959年ですと映画会社は退職されていると思います。「ララミー牧場」が始まるのはもう少し後かな?
水野晴夫氏はもう入社(「007」を担当していたからユナイトでしょう)していたかなあ。
ドロン初期の作品では「学生たちの道」「若者のすべて」「太陽はひとりぽっち」など良い邦題だったと思います。「太陽がいっぱい」は良いけど、まあ直訳でしょう。
2014年10月15日 21:33
オカピーさん、こんばんは。
体調はいかがですか?

この作品、DVD化されていないので懐かしい作品ですよ。ファンとしては、デビュー作品の「QUAND LA FEMME S'EN MELE」はじめ、「黙って抱いて」「素晴らしき恋人たち」「さすらいの狼」「ジェフ」とともに幻の作品ですよ。
わたしとしては、外にも「泥棒を消せ」、「パリは燃えているか」や「栗色のマッドレー」、セザール男優賞受賞の「Notre histoire」のDVD化も強く望んでいるところです。

「お嬢さん、お手やわらかに!」は中学校3年生(昭和53年か54年)のとき、確か真冬にTV放映を思い出します(日曜洋画劇場だったと記憶しています。)高校受験期の冬期講習をサボって観た記憶がありますよ。
典型的なアイドル映画でしたね。内容はほとんど記憶が無いのですが、ドロンが革ジャンで登場したファースト・シーンと、ジャクリーヌ・ササールとの結婚式から囚人服姿で床拭きをしながら笑い合っているプティとドモンジョのストップモーションでFINだったことは覚えています。

>今回観たものは20年ほど前にWOWOWで放映されたもの。
オカピーさんが羨ましいですよ。再見してブログ記事にしたいなあ。

>「太陽がいっぱい」は良いけど、まあ直訳
1960年スクリーン誌での日本公開前の秦早穂子氏のドロン・インタビューの記事では「太陽を一杯に」と訳されていたようです(笑)。
では、また。
オカピー
2014年10月17日 09:11
トムさん、こんにちは。

昨日のお昼過ぎに近所で火事があり、光ファイバーが断線した為にそれから先程までインターネットが使えない状態でした。
すぐにレスできずに申し訳ありませんでした。

>体調
大丈夫ですと言いたいのですが・・・
20日に大腸がんの検査をします。
右下腹部にやや熱を帯びた違和感がありますので、もしかしたら既にがんになっているかもしれません。今月に入りめまいを覚えていますが、関連があるかどうか。

>DVD化
僕もこの映画は持っていないと思っていたのですが、先年より続けているビデオからブルーレイに移す作業中に発見して意外に思ったものです。

1970年代は本当によく放映していて何度か観たと思います。昭和53年か54年の放映は、或いは、地上波では最後の放映かもしれません。このままDVD化がなければ、貴重な体験になりますね。

>FIN
幕切れは正に仰る通りで、僕もこの場面はよく覚えていたので、凡そ20年前の放映の時もきっと観たのでしょう。

>「太陽を一杯に」
意味としては正解でしょうが、太陽を主語にした方が格好良いですね。
2014年10月17日 23:40
レス遅れるくらい全く気にしないでください。

そんなことより
>右下腹部にやや熱を帯びた違和感・・・
早く直してくださいよ。
オカピーブログが休止になったら、私も用心棒さんも、姐さんやジュールさん、ねこのひげさんも・・・多くのオカピーファンがが、困ってしまいます。
本当にお大事にしてください。
予後順調となることを心から信じています。
では、また。
オカピー
2014年10月18日 11:47
トムさん、こんにちは。

ご心配をおかけ致します<(_ _)>

昨夜から嘔吐と下痢が激しく下痢はまだ止まりません。これは食中毒かもしれませんが、検査に影響が出ないように今日中に治って欲しいものです。

>違和感
消化器系内部には神経が殆ど通っていない為、違和感があったり痛い時にはかなり癌が進行している可能性が高いそうです。
大腸炎など死に結びつくことの少ない病気の方が痛みは強いのが皮肉で、残念ながら、解った時には遅かったということが多いようですね。

>オカピーファン
まあ僕などたかが知れており、惜しまれるほどの人間ではありませんが、大腸癌であっても初期であってほしいと思います。初期ならほぼ100%治癒するそうですから。

どうもコメント有難うございました。
ブログが続く限りお寄りください。
2019年10月20日 12:58
オカピーさん、こんにちは。
アラン・ドロンとしては日本でのデビュー作品=出世作。
今年ようやく、この作品がソフト化され、早速、購入しました。初めて記事としてアップしました。お暇なときにでもご高覧ください。ドロン重要作品16本を選定し、その中の1本として記事にしています。オカピーさんのように客観的な評価(私の場合は世評による客観評価)を意識して選んでみたのですが・・・。

アイドル映画で、他愛ないラブコメディーとはいえ、とても丁寧に作ってあります。40年ぶりに再見してわくわくしながら観ていましたよ。本当に豪勢なキャスト・・・それだけでも観る価値有りですよね。
私は中学生当時、ドロンの外、3人とも大好きになりました。特にミレーヌ・ドモンジョはキュートでお転婆最も好きでジャン・マレーと共演した「ファントマ」シリーズはテレビ放映のたびに必ず観ていました(笑)。
オカピー
2019年10月20日 22:51
トムさん、こんにちは。

>ドロン重要作品16本を選定
概ね妥当なような気がします・・・偉そうに(笑)
初期は絶対的な秀作が多く、選びやすいですよね。

>他愛ないラブコメディーとはいえ
僕の小学生時代から高校時代にかけて何度も放映されましたねえ。好きなんですよ、これ。
 映画マニアはこういう他愛ない作品や監督を馬鹿にしがちですが、作品はコメディーとして秀作と言えるレベルですし、ミシェル・ボワロンも才人です。

>「ファントマ」シリーズはテレビ放映のたびに必ず観ていました(笑)。
確かにこれもよく出ましたね。僕は一度だけかな。

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