映画評「雷撃隊出動」

★(1点/10点満点中)
1944年日本映画 監督・山本嘉次郎
ネタバレあり

海軍の後援・協力の下「ハワイ・マレー沖海戦」とほぼ同じスタッフで2年後の1944年11月に作られた国策戦争映画である。しかし、2年前と戦況が大きく異なっている為か少々元気のない印象がある。

南洋基地を舞台に海軍の同期の三人たる藤田進、森雅之、河野秋武の動向を中心に雷撃隊の活躍を描くお話は、正直に登場人物を通して飛行機の不足や日本軍の苦境を伝えていて、これでは戦意高揚映画になるまいと思われるほど。

それを補う為に南洋で食堂を営む女将・東山千栄子に色々と勇ましい言葉を吐かせているような感じを受け、苦笑が洩れる。この部分こそプロパガンダ色が強いとは言え、全体として思ったより穏当な印象で、当時作られていたアメリカの戦争映画より不愉快な気持ちを催させないのは、意外に感じられる。

そういう意味での興味を覚えたものの、お話は全く面白くない。

戦闘場面は「ハワイ・マレー沖」より海軍の協力が得られたらしく実際の描写が多く(既存フィルムを交え)、飛行機が敵艦に突っ込む場面くらいにしか円谷英一の特撮は使われていない模様。特撮ファンには物足りない一編と言うべし。

日本人の生真面目さが戦意高揚映画にも出るんだな。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年10月29日 18:05
面白くない・・・・・まあ、映画人としては戦争高揚映画なんて作りたくはなかったでしょうね。
アメリカ人などのように能天気にアメリカがすべて正しいなんて単細胞的に思っていなかったでしょうからね。
オカピー
2014年10月29日 20:21
ねこのひげさん、こんにちは。

1944年くらいになると一般的な映画は作れないですから、喜劇映画の多い山本嘉次郎もこんな作品を作らざるを得なかったのですねえ。
本作にも日本人の素晴らしさを表明する台詞があるのですが、それすら何だか元気がなく、正直な映画だなと思いました。

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