映画評「クロニクル」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督ジョシュ・トランク
ネタバレあり

序盤の作り方から「またまた、POV映画かい」と、気乗りせず観始める。

その功罪については後に取っておくとして、それなりにインテリジェンスのありそうな高校生デイン・デハーンが、友人アレックス・ラッセルとマイケル・B・ジョーダンと地下にあるほら穴で発見した光る物体に触れたことから空を飛ぶなど大きなテレキネシスを身につけ、悪ふざけしているうちは良かったが、重病の母を抱えた酒浸りの父親からの暴力に耐えかねて遂に「キャリー」状態になり町中を破壊、力をセイブするよう説くラッセル君と激しい戦いを繰り広げる。

POV映画としてはお話は面白い部類である。少なくとも映像を垂れ流し観客の錯覚を利用しただけで本当は少しも怖くない「パラノーマル・アクティビティ」シリーズ(厳密に言えば定点カメラはPOVではないが)及びその類似作品よりぐっと創意工夫に満ちている。

その代わりPOV映画、より正確には“ファウンド・フッテージもの”の論理性から言えば「パラノーマル」シリーズのほうがきちんとしている。本作は展開が進むうちに、誰が撮っているのか疑問にならなくても無理が目立つようになり(一部女の子撮影の映像も入っているという設定らしい)、最後の戦いの場面に至っては誰のカメラによる映像なのかはっきりしない(テレキネシスにより手から放しても自在に撮れるわけだが、いくら何でも戦っている最中にカメラのコントロールまではできないだろう)。
 一貫性が保てないなら無理にPOV映画にしなくても良かったのではないかと思うが、POV映画らしい安っぽさがなければメソメソ「スパイダーマン」と大して変わらないことになる。誉めてよいのか貶すべきなのか悩ましいところ。

脚本を書いたマックス・ランディスはかのジョン・ランディスの息子とか。彼の名前が一般的になってもう30年以上経つわけね。

採点上は一応誉めている部類に入るじゃろ。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年08月24日 07:31
スカーレット・ヨハンソン主演でリュック・ベンソン監督の『ルーシー』という映画も『キャリー』のようであります。
流行っているんですかね?
CGが使いやすいからでありましょうけど・・・・
二代目にしては良い出来でありますな。
あちらでは二代目の方が才能がありそうなケースが多いのかな?
オカピー
2014年08月24日 21:46
ねこのひげさん、こんにちは。

>『キャリー』
今月オリジナルがWOWOWで放映されるので、久しぶりに鑑賞予定。

>二代目
そういうケースもあります。
「ゴーストバスターズ」のアイヴァン・ライトマンより息子ジェースンの方がはるかに才能があると思いますね。

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