映画評「アフター・アース」

☆☆★(5点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督M・ナイト・シャマラン
ネタバレあり

M・ナイト・シャマランが監督であるが、基本的には引き受け仕事という印象。

今から1000年後、大分昔に人類は自ら荒らした地球から去って、別の惑星に住みつくが、そこの先住民たる異星人がアーサという怪獣を放って地球人を襲撃している。
 先日観た「パシフィック・リム」など、最近エイリアン(異星人)が自ら闘わず、怪物を繰り出すという設定が増えてきたのは興味深い。強力な戦闘力のある巨大生物が知的生命体というのは似つかわしくないので、そうなるのが世の流れと理解できるものがある。

そんなある時、レンジャー部隊の総司令官ウィル・スミスが訓練中の息子ジェイデン・スミスも乗せて出動中に事故に巻き込まれ、とある危険な惑星に衝突して機体が二つに分裂する。ウィルとジェイデンの親子だけが前部で生き残るが、救援を呼ぶにも発信機が壊れている。もう一つの発信機は生きているが、100km彼方の後部にある。ウィルは重傷を負っていてそこまで踏破できない。そこで十代半ばのジェイデン君を遣わすことになるが、酸素は6日分しかなく、気温も夕方から急激に下がるので発熱帯を上手く利用しないと生き延びられない。さらに途上には人を襲う危険な動物がうようよしている。
 このような状況でジェイデン君は如何に生き延び使命を全うするか、というサバイバルもののSF版と言って良い内容で、そこに恐怖を如何に克服するかという少年の成長記録を含めている。何故恐怖の克服が必要になるかと言えば、目の見えないアーサは人の恐怖を察知して襲うからで、恐怖を覚えなければ相手に対し透明化するのである。

とにかく“そうせざるを得ない”為に登場人物がそのように行動していく設定だけで持っている作品で、終わってみれば、ウィル・スミスの親バカぶりしか印象に残らない、といった世評に首肯せざるを得ない。

お話の面では、舞台となっている危険な惑星が実は地球であるという「猿の惑星」のヴァリエーションなのがピンと来ない。生物があれほど闊歩している地球であれば怪獣と闘う前に人類もそこで暮らせばよいだろうに。地球を抜け出す技術より生物を抑える技術のほうが難しいものだろうか? また、本来地球で暮らしていた人類が酸素補給が必要で、別の惑星の生き物であるアーサが平気で過ごせるのもよく解らない。

典型的な“お話の為のお話”じゃね。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年07月13日 06:44
SF小説では、地球を逃げ出した人類が、地球のことを忘れてしまうという設定の作品がけっこうありますです。
地球タイプの惑星を見つけてそこで発展した人類が旅をして惑星を発見して降りて見たら、実は人類発祥の地である地球であったという話で・・・けっこうあります。

ここまで親馬鹿だと、息子の将来が危ぶまれますね~
どこかの号泣バカ議員みたいにならなければいいけど・・・・
オカピー
2014年07月13日 19:47
ねこのひげさん、こんにちは。

どういう風に地球をダメにしたか解らないのがSF的には弱いです。
ウィル・スミスは格好を別にするとSFとして作る気などなかったのでしょう。

>バカ議員
日本の議員は本当に恥ずかしい。欧米なら全員辞職ですし、党は相当の責任を負わされます。日本は国民が甘すぎる。そういう諦観を国民に植え付けたのは、民主党でしょうけどね。

この記事へのトラックバック

  • アフター・アース (IMAX)/ウィル・スミス

    Excerpt: 劇場予告編などではウィル・スミスと実子ジェイデン・スミスの『幸せのちから』以来の親子共演作に焦点が当てられていましたけど、これってM・ナイト・シャマランの監督作品だっ ... Weblog: カノンな日々 racked: 2014-07-12 10:56
  • アフター・アース

    Excerpt: まさかの地球おざなり。   Weblog: Akira's VOICE racked: 2014-07-12 10:58
  • アフター・アース~宗教臭い試練の物語

    Excerpt: 公式サイト。原題:After Earth。M・ナイト・シャマラン監督、ウィル・スミス原案・出演。ジェイデン・スミス、ソフィー・オコネドー、ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ、リンカーン・ル ... Weblog: 佐藤秀の徒然幻視録 racked: 2014-07-12 11:33
  • 「アフター・アース」

    Excerpt: 娘役のゾーイ・イザベラ・クラヴィッツさんって、レニー・クラヴィッツの娘なんだって!? Weblog: 或る日の出来事 racked: 2014-07-12 21:26
  • アフター・アース ★★★★

    Excerpt: 『シックス・センス』『エアベンダー』の鬼才M・ナイト・シャマランが放つスペクタクル。人類が放棄して1,000年が経過した地球を舞台に、屈強な兵士とその息子が決死のサバイバルを展開する。『メン・イン・ブ.. Weblog: パピとママ映画のblog racked: 2014-07-13 14:50