映画評「ラストスタンド」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督キム・ジウン
ネタバレあり

カリフォルニア州知事をやっていた関係で本格映画出演を控えていたアーノルド・シュワルツェネッガーが「ターミネーター4」以来10年ぶりに主演したアクション映画は、事実上の現代版西部劇である。それを古臭いと思う若い人の中にはつまらないと思う人がいるかもしれないが、オールド・ファンには受ける可能性が高い。

レーシング経験もある若いメキシコの麻薬王エドゥアルド・ノリエガがFBIによる護送中に子分の協力で脱走、スーパーカーのコルベットZR1に人質の女性エージェントを乗せてメキシコ国境を目指す。
 大した事件もない国境付近の町で初めての本格的事件と言って良い農夫(ハリー・ディーン・スタントンでござるよ)殺人事件を調べていた元敏腕麻薬捜査官の保安官シュワルツェネッガーが事件とも関連ありそうであるし、まして目の前を通るとなっては阻止を図らないわけには行かぬと、大物登場前に銃撃戦で死んだ部下以外の副保安官二人に加え、留置中の若者や古い武器を陳列している自称武器博物館を営んでいる男を副保安官にし、彼の持っている古い武器とスクールバスを使って迎え撃つ。子分は退けたものの、封鎖を突破してしまったノリエガを保安官が市長の高級スポーツカーで追いかけ、広大な畑でユニークなカー・チェースを繰り広げる。

悪党が来るのを知りつつ待ち受ける保安官と言えば「真昼の決闘」が代表格であるが、余り頼りになりそうもない連中を率いて悪党たちを待ち受けるという構図では引用されている方の多い「リオ・ブラボー」(同じくメキシコ国境が舞台)に近い。
 逆に言えば型通りのお話なのだが、ご他聞に洩れず、オールド・ファンの僕としては、小手先で勝負しないこういう線の太い映画というだけで評価が甘めになってしまう。何より良いのはショットの扱いで、画面がやたらに揺れることもなく、細切れでない適度なスピード感のカット割りには最近のアクションを観る時に味わう不快感が全くない。監督は韓国人のキム・ジウンで、監督の指導がどこまで機能しているが知らないが、評価したい。

惜しいのは、シュワちゃんに言わせると「抑えた」という残酷シーンである。昔の西部劇程度で十分で、四肢がちぎれたりするショットは必要ない。それほど多くないと言えども、気になるので、大量の★☆を進呈しかねる昔気質(むかしかたぎ)でござる。

観客動員を考えればやむを得ないのだろうが、もう少し”オールド”に徹して貰いたかったなあ。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年06月08日 11:54
シュワちゃんの作品は、単純明快なのがいい所でありますね。
退屈などと言わずに楽しめばよろしいわけであります。
オカピー
2014年06月08日 21:35
ねこのひげさん、こんにちは。

余り型通りでも困りますけど、今は昔の「型通り」が少ないですから、却って楽しめる。作り手はそこをうまく突けば、若い人に受ける昔風の作品も作れるかも。

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