映画評「ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト」

☆☆★(5点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督ケヴィン・マンロー
ネタバレあり

いくら観ても面白さを見出せないゾンビ映画は本年の途中から原則的に観ないことにしたのだが、一見純粋なゾンビ映画と思わせるタイトルながら探偵が出てくると知って観てみた。

ニューオーリンズ、かつて吸血鬼といった闇の世界の住人と人間との調停役をしていた私立探偵ブランドン・ラウス(役名ディラン・ドッグ)が妙齢美人アニタ・ブリエムから毛の生えた怪物に父親が殺された事件を調査して欲しいと依頼される。彼女の家からはある美術品が盗難されていることも判る。
 殺人の真犯人と思われた狼一族の娘が殺されていた為一族のボスであるその父親ピーター・ストーメアから調べ始め、やがて闇の世界の歴史に詳しい800歳のイタリア人からその美術品が堕天使を蘇らせるアイテムであることを教えられ、次々と起る殺害がそのアイテムを巡るものであることを突き止める。

というお話は、私立探偵が様々な人物を訪ね歩いて行くちょっとしたハードボイルドもの気取りで、パロディー気分が多分にある。パロディーと言えば、ストーメアの役柄はマフィア映画のボスそのもので、出番は少ないながら個人的にはこれが一番楽しめた。

相棒のサム・ハンティントンがゾンビになってコメディ・リリーフを担当、かなり大きく扱われる為、実質的にコメディー映画と言いたくなる内容。最終的にはダーク・ファンタジーのようなお話に移行していくのだが、この終盤は予想外に呆気ない。余りくどくどしいのも困りますが。

ヒロインの行動にちょっと疑問があるものの、詳細を言うとミステリーの肝心な部分に触れそうなのでとりあえずエチケットとしてこれ以上は語れない。

これも最近流行りの一種のハイブリッド・ホラー映画(命名者オカピー)と言って良く、原作者はティツィアーノ・スクラヴィ。珍しくもイタリアのグラフィック・ノヴェル(劇画)ということだ。スクラヴィという名前は劇中に出てきたような気がするが、洒落っ気ですかな。

ディラン・ディランに「ハングリー・ライク・ア・ウルフ」という曲があったけど、こちらは「ハングリー・ライク・ア・ドッグ」てなとこでしょうか。犬は出て来ませんけどね。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2013年12月07日 16:56
漫画を原作にして映画を作るのは日本のほうが早いような気がしますが・・・
まあ、面白ければ、どちらでもいいんですけどね。
芸がもうひとつ欲しかったところです。
オカピー
2013年12月07日 21:19
ねこのひげさん、こんにちは。

日本では、20世紀の末くらいからマンガの実写映画化が増えましたね。
アメリカでは所謂アメコミの映画化はありましたが、普通のドラマはないです。そもそも小市民を描いたコミックはないのだろうと思いますね。
フランスのコミックの映画化はぼちぼち観られていますが、イタリア原作は初めてかな。

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