映画評「ゲットバック」

☆☆★(5点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督サイモン・ウェスト
ネタバレあり

噂によるとニコラス・ケイジは借金まみれの為に映画に出まくっているそうであるが、確かに質より量という感は否めない。本作の監督サイモン・ウェストにしても15年ほど前ケイジとコンビを組んだデビュー作「コン・エアー」に比べると大分だらしない出来映え。脚本のせいと言えばそれまでだが。

ケイジをリーダー格とする強盗グループが1000万ドルを銀行から盗む。人を傷つけないことをポリシーとするケイジはその掟を破ろうとした弟分のジョシュ・ルーカスに発砲した後逮捕され、8年後に出所すると思春期真っ盛りの娘サミ・ゲイルに冷たい態度を取られてしょげる。
 その直後、死んだと知らされたルーカスから電話が入り、娘を誘拐したから、例の1000万ドルを半日以内に持って来いと脅迫される。ケイジは逮捕される前に大金は焼却していた為、やむを得ず、かつて彼を逮捕したFBI捜査官ダニー・ヒューストンに「娘が誘拐された」と告げるが、勿論信じて貰えす、ここより官憲から逃げながらタクシー運転手になっていたルーカスのタクシーを探しつつ1000万ドルを再び略奪する必要に迫られる。

極めて型通りで新味が決定的に不足しているが、積極的な面白さを期待しなければ何とか最後まで持つ。
 しかし、ヒューストンがケイジを頭脳派として敬意を払っているという設定であるならば、もう少し捻りを加えることができたのではないかと思う。例えば、最初からFBIを彼の訴えを信じる者と信じない者とに二分させ、それを絡めながら展開するといったアイデア。ただし、こういうのは上手く作らないとだらだらする可能性がある。
 あるいは、FBIはタクシー会社でルーカスが生きていることを確認したのだから、彼らがその発見に全力を尽くしてルーカスを追いつめて行くのと並行して、それを知らないケイジが懸命に強奪を働く様子を描く、恋愛映画ならぬ犯罪映画のすれ違いものに仕上げても面白かったような気がする。派手さより洒落っ気を取る作戦である。余り受けそうもないですな。

いずれにしても、フル料金を払って映画館で観ればまずがっかりするが、レンタルなどで見る分にはそう腹も立たない程度の出来と思う。

ゲットバックするのは主人公にとっては娘、弟分にとっては金。邦題は娘のつもりだろうけど。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2013年10月13日 05:30
FBIが信じて、娘の奪還を手伝い、最後に1000万ドルと娘と共にドロンされて、FBIが怒り捲るでエンドなんていうのも・・・・・(^^ゞ
ルパン三世みたいな作りでもよかったかな?
ゲットバック・・・・・まさにそうでしょうね。
オカピー
2013年10月13日 17:10
ねこのひげさん、こんにちは。

実際捨てたはずの金塊が残っていて、彼を買っていたヒューストンを実は裏切っていたという落ちには多少その気がありますけど、もっと本格的にそれをやるわけですね^^

僕は、FBIがタクシー会社に現れて死んだはずの人間の生存を確認した段階でそちらを探す方に力を注ぐかなと思って観ていたので上の発想が出たわけです。
すれ違い・・・観たかったな(笑)

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  • 12-311「ゲットバック」(アメリカ)

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