映画評「ラブ・アゲイン」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
ネタバレあり

IMDbで20万件以上の投票が行なわれているところを観るとアメリカでは相当ヒットしたのだろう。ラブ・コメディーではちょっと珍しい数字だ。

細君ジュリアン・ムーア一筋に生きてきた真面目な四十男スティーヴ・カレルがその細君から同僚ケヴィン・ベーコンと浮気したと告げられた上で離婚を切り出されひどく落ち込む。愚痴をこぼしに出かけた酒場で声を掛けてきたプレイボーイのライアン・ゴズリングに教えられるままプレイボーイに転身しようとしてみるが、そのゴズリング君は弁護士志望の美人エマ・ストーンと恋に落ちて、今度は遊びではない恋愛の指南をカレルに乞う。

序盤からたまに顔を出すエマ嬢の作劇上の立ち場がどうもよく解らないと首を傾げていたところ、実は彼女がカレルの長女と判明するに至り、愛に関する考えを180度異にする二人をめぐる、コメディーならではの仕掛けだったわけかと遅ればせながら納得させられる。

本作はこのお話を軸に、彼の中学生になる息子ジョナ・ボボ君が子守の高校生アナリー・ティプトンに恋をし、その彼女はカレル氏に恋をし、カレル氏は言わばジュリアンに恋をしている、という片思いの連鎖からお笑いを生み出すべく色々と工夫が為されていて、傑作なのは多少格好良くなったカレル氏がジュリアンに寄りを戻そうとしている現場へ関係者が全員鉢合わせして大騒動に発展する一幕である。かのモリエールも脱帽するであろう可笑しさ! 

この事件により彼らは全員自分の立場を理解し、その上で真実の愛若しくはソウル・メイト(永遠の伴侶)の存在を確信して前進する。

最近のアメリカ喜劇はどうも品がなくていかんと渋面を作っていたらこういう作品に遭遇した。21世紀の作品だからそれなりに下ネタや悪い言葉は出てくるものの、それらに頼るのではなくお笑いが継続するシチュエーション・コメディーとしての可笑しさを充実させているから良い後味に繋がる。カレルの平凡な人物像が効果を発揮した佳作と言うべし。

カレルは昔から枯れている。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2013年07月14日 13:23
なんだか昔懐かしい映画を観ているような部分があって面白かったですな~
オカピー
2013年07月14日 21:12
ねこのひげさん、こんにちは。

やはり、シチュエーション・コメディーは良いです。
ビリー・ワイルダーが観たくなりますね。

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