映画評「ろくでなし稼業」

☆☆★(5点/10点満点中)
1961年日本映画 監督・斎藤武市
ネタバレあり

宍戸錠初主演作でござる。
 宍戸と二谷英明が貨物車から出てくる開巻シーンは「今度はホーボー映画かい」と苦笑させる。アメリカ映画からのぱくりが見え見えの出だしだし、日活アクションだから何か本(もと)になっていそうな作品があると思って考えているが、どうも今回は思い付かない。

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元船乗りの二人は悪徳弁護士・小沢栄太郎の用心棒になろうと押しかけたものの、警察の御用になって釈放された後、悪党・金子信雄が経営する海運会社に加わり、船を沈没させて保険会社から保険金を詐取する悪計に加担する。
 宍戸が持っていた写真のおかげで二谷、そして宍戸が金子が殺した前社長の息子を次々と名乗って社長の椅子に座るが、小沢というバックボーンの付いている金子はどっちが真の息子が解らない二人を殺して全ての悪行を彼らの責任に帰そうと企む。それを感づいた二人は、前社長の本当の息子・沢本忠雄と、前社長に恩義のある船長・山田禅吉を仲間に加え、一味を倒すべく大奮闘する。

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日活アクション俳優の中では宍戸錠が一番(唯一?)コミカルな性格を発揮しているが、二谷とのとぼけたやり取り・台詞など本作はその中でも断然コメディー仕立てで、なかなか愉快。

「ルパン三世」を引用していた人もいらっしゃるが、僕には「ボルサリーノ」(1969年)のコメディー版若しくは後年の「ハーフ・ア・チャンス」(1998年)みたいだなと感じられる。宍戸がジャン=ポール・ベルモンド、二谷がアラン・ドロンに相当すると思えば当らずとも遠からず、だろう。

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本作二人のコンビネーションぶりには西部劇に通ずるものがあるものの、今回観た宍戸錠主演作三本の中では一番ギャング映画的ではある。お話は予想外にがっちりしていて上出来の部類。ただ、どこかで観たようなお話であることが気になって星を増やしにくい。

吉永小百合と南田洋子も例によって共演。

上映時間83分なり。日活アクションは短いので、大概飽きる前に終わります。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年12月02日 07:27
ホーボー映画と言えば、リー・マービンとアーネスト・ボーグナインの『北国の帝王』を思い出しますが、『北国の帝王』は1971年ですから、こちらのほうが早いですね。
アメリカ映画には、列車に無賃乗車するシーンが多いですが。
日本映画も、同じような映画を量産していた時代でありました。

赤木一郎さんが、ゴーカートで死んだとき、その前に宍戸錠さんが乗ったそうで、その時、ブレーキの利きが甘いな?と思っていて、もしかしたら、自分が死んだかも・・・と対談で語ってましたね。
オカピー
2012年12月02日 21:52
ねこのひげさん、こんにちは。

70年代には「北国の帝王」のほか「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」や「明日に処刑を」など比較的ホーボーを扱う作品が多い年代だったように思います。
勿論1920~30年代同時代的にホーボーを扱った作品もあったと記憶していますし、戦後もあって、本作の元ネタになったような作品もあると想像していますが、悔しいけど思い出せません。

>ゴーカート
そんな話も聞いたことがあるかな。
22歳ですからね、亡くなったのは。

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