映画評「爆破3秒前」

☆☆★(5点/10点満点中)
1967年日本映画 監督・井田深
ネタバレあり

小林旭シリーズ第2弾は、大藪春彦のスパイ小説「破壊指令No.1」を映画化した日活無国籍アクション。

日本軍が戦時中に手に入れた後空襲にまぎれて軍人だった内田朝雄と神田隆が略奪したラバレア国の莫大な財宝が、四日後の6時に同国の返還請求権が切れ、その時点の持ち主に所有権が確定する。それを阻止せよと指令を受けた内務局情報局の諜報員・小林旭が、財宝を奪う算段の国際宝石密輸団に接近して内田から吐かせた情報を教え、神田一味と争わせる作戦を立てるが、女性の為に脱退した元同僚・高橋英樹が一味に肩入れをしていた計算外があるものの、首尾良く一味が財宝を隠しているドラム缶に時限爆弾を仕掛け、爆発する時刻に両者が出入りするように仕向けるが、密輸団により現場である日本軍燃料廠跡の地下壕に捕縛され閉じ込められてしまう。

お話の骨格は単純ながら、少々ややこしく感じるのは、神田の姪・伊藤るり子、高橋の恋人の歌手・高石かつ枝(余り記憶にない60年代の本当の歌手)、密輸団日本部のリーダー葉山良二の中国人情婦・應蘭芳という三人の女性を色々と絡め必要以上に情を交えたからで、女性は二人くらいにしてもう少し実働方向に活躍させた方が面白くなったであろう。

細かい点で気になったのは、ビル群を逃げる見せ場で、追いかける葉山一味を写した後ロングショットで逃げる小林を映すカット割りである。こうカットを割ると後のロングショットは彼らの主観ショットのように感じられるが、彼らは銃を撃つわけでもなくぼんやりしているだけで非常に間抜けに見える。
 もう一点は燃料廠跡のトーチカから続く地下がどう考えても海の下にあるとは思えないこと。事前の環境描写がしっかりしていないので、「海の下」といった台詞や爆発で海水が上がる箇所がピンと来ない。こういうところをしっかりするとアクション映画はぐっと面白くなるのだが、初めて観る井田深監督の技量にはやや疑問がある。

ショットを切らずに撮っているところから判断して、小林旭ご本人が大半のアクションを実際にこなしているようで、昨日の「黒い賭博師」に続いてまたまた頑張っている。

歌謡映画でもあります。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年10月23日 05:34
小林旭さんの逸話として読んだ記事によれば、こういうアクション映画に主演しているので、街中を歩いていると、腕自慢のチンピラに喧嘩を売られることが、よくあったそうです。
そのために、悪役俳優を何人か護衛につけていたそうですが、実は、悪役俳優より、小林旭さんのほうが、喧嘩は強くて、喧嘩を売られたら小林旭さんが相手をして倒していたそうです。
アクションも、スタントマンなど当時はいなかったので、自分でやっていたと言ってましたね。
オカピー
2012年10月23日 21:39
ねこのひげさん、こんにちは。

面白いエピソードを有難うございます<(_ _)>

>悪役俳優
彼らは顔が怖いだけですからねえ^^;

>スタントマン
今はスタントはいるし、カットは細切れで何をやっているか解らず誤魔化しが利くし、俳優も楽になったかもしれませんね。

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