映画評「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」

☆☆★(5点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督ジョー・ジョンストン
ネタバレあり

やっと俳優の名前を200人くらい、監督の名前を30人くらい憶えた新米映画ファンだった頃公開されたジョージ・ハミルトン主演映画(1972年)のリメイクかと思ったら何とまたマーヴェル・コミックスの映画化でござるよ。
 因みに、そのハミルトン主演の映画はオートバイ好きなら大概名前を知っているであろうスタント・ライダーのイーヴル・クニーブルの伝記映画で、多分永久に観ることが出来そうもないが、出来は芳しくなかったらしい。

さて、いよいよ本作のお話。

時は1941年、愛国精神に燃えながら虚弱体質でいつも兵役検査に落ちてしまうスティーヴ・ロジャース(クリス・エヴァンズ)が、その純粋で強い心をスーパーソルジャー計画なるものを進めている米軍の科学者アースキン博士(スタンリー・トゥッチ)に認められて抜擢され、実験台に乗せられる。
 実験は見事に成功し、彼は見事な体躯と物凄い運動能力の持ち主に変身するが、博士がヒドラ党なるナチの科学部門により暗殺された為国債キャンペーンのどさ回りが仕事になってしまって大いにくさる。
 しかるに、友人のバッキー(セバスチャン・スタル)が、ドイツ時代博士の実験により悪鬼のような姿に変身して今やヒトラーを出し抜いて世界征服を企むシュミット(ヒューゴー・ウィーヴィング)率いるヒドラ党の捕虜になっていることを知り、奪還する為に女性将校ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)の協力を得て敵基地に乗り込んで敵をバッタバッタとなぎ倒し、いざシュミットと対決と相成る。

マーヴェルの映画化の中でも実にクラシックなので最後は弁士みたいな調子になったが、ほぼ同じ目的の実験で怪物化したハルクよりぐっと人間的。中学生がオリンピック選手になったくらいなもので、スーパーマンのように飛行機を止めるといった芸当はできない。しかも、全体が戦争アクションのような構成なので他のコミック映画版に比べると地味という世評に何の異論もございません。

しかし、僕が余り良い点を出せなかったのはお話のバランスや緩急の付け方に不満がある為で、その結果後半敵のステルスみたいな戦闘機の中でのアクションなど主人公にどうしてもこやつを仕留めてもらいたいといったエモーションが湧いてこない。エモーションが湧かなければヒヤヒヤすることもできない。つまりストーリーの設計が悪くて手に汗も出て来ない。
 最後の決戦などはシュミットが身分不相応の力を得ようと神がかりのキューブを握った為に勝手にやられてしまう。ナチスの悪党が同じような幕切れを遂げている「レイダース」ではないんだから“勘弁して下さい”てなもんで、その代わりのクライマックスと言うべき不時着も具体的でなくてつまらず、マーヴェル・コミックスのヒーロー連中が総登場(?)するらしい「アベンジャーズ」の予告を見せて終り。

監督のせいとは言いにくいが、「遠い空の向こうに」で注目する監督になったジョー・ジョンストンの作品としてはおもちゃの花火くらいに終わった印象。

最後はもろに予告だったねえ。だから言ったじゃないの、“映画のTV化”が進んでいるって。そうそう、この映画の後はTOTOのアルバム「ハイドラ」を聴かなくちゃね。

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この記事へのコメント

2012年09月21日 00:36
バットマンとスーパーマンは小さいころどこかで見た記憶があるんですが、キャラクターしか覚えていません。他のアメコミはほとんど知らないです。アニメでゴームズというのは覚えているんですが、手が伸びるんですね。
映画ではバットマンのほかにアイアンマンは観ましたが、あれはロバート・ダウニー・Jrでしたか、主演の人がよかったので楽しめました。
アベンジャーになると、よくわからないというか、日本だと仮面ライダーのほうが人気者だから、宣伝もしにくそうに見えました。
2012年09月21日 04:45
この『キャプテンアメリカ』から『アイアンマン』・・・・が関連付けられて『アベンジャーズ』になるわけで、このキューブも『アベンジャーズ』に出てきます。
まさに映画のテレビ化でしょう。
マーベルには、山のようにスーパーヒーローがいるので、全部出てくる映画が出来るのもおもしろいかも?
と思ったりしてますけどね(^^ゞ
オカピー
2012年09月21日 19:20
nesskoさん、こんにちは。

僕もアメコミは余り詳しくないのですが、「バットマン」と「スーパーマン」はDCコミックスなる出版社の手になるもので、日本では専らこちらの知名度が高かったわけですね。
が、「スパイダーマン」のヒットでマーヴェル・コミックスも一般的になったようです。その前から「ハルク」とか知られていましたが、日本では出版社と結びつくことはなかったと思います。

>ゴームズ
「宇宙忍者ゴームズ」は僕も観ていた記憶がありますね。
しかし、これが映画化もされた「ファンタスティック・フォー」と同一と知ったのは今日調べた結果で、驚きでした。うっかりしていましたなあ。

>「アイアンマン」
僕も割合面白いと思いましたね。
DCの「バットマン」と重なるところもありますが。

>アベンジャー
「仮面ライダー」は原則的に子供向けとして公開されていると思いますが、日本の配給会社側はターゲットをどの客層に置いているんでしょうかねえ?
洋画ですから基本は高校生以上くらいなんでしょうけど。
オカピー
2012年09月21日 19:31
ねこのひげさん、こんにちは。

>キューヴ
想像するにあれは神に属するものでしょ? ソーに関係するんじゃないですか?

>TV化
それで困るのは、大作が多くて公開にスパンがある為忘却している部分が多いこと。所謂シリアルなんで話が続くのが却ってネックになっちゃう。
僕なんか古今東西何でもかんでも観るから、シリーズは「007」みたいにお話が続かない作り方を歓迎したいわけです。

地味な映画が益々隅に追いやられるのも映画ファンとしては残念。
「ジョニーは戦場へ行った」なんて地味な反戦映画が配収ベスト10に入った時代もあったのに。あれは配給会社が相当頑張った結果ですね。

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