映画評「ストーン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督ジョン・カラン
ネタバレあり

定年間際の仮釈放管理官ロバート・デニーロは、家に放火して兄が殺した祖父母の死体を隠滅した罪で8年間服役しているエドワード・ノートンを最後の相手としている。いかにも犯罪者らしい不遜な態度に、信心深い妻フランシス・コンロイと一緒に教会に通うといった堅苦しい人生を送って来たデニーロは不快感を覚えるが、男の妻ミラ・ジョヴォヴィッチが色仕掛けで手心を加えて貰おうと何度か迫って来た時に遂に一線を越えてしまう。
 一方のノートンは読んだ本から神の啓示に目覚め、仮釈放への関心すらなくなった頃遂に仮釈放が決定するが、罪の意識が拭えないデニーロはその直後に家が燃えたことをノートンの仕業と思い込み、町で出会ったノートンに拳銃を向ける。何もしないまま去った後彼の耳にはノートンが“神の啓示”と言っていた音が聞こえてくる。

デニーロとノートンという組合せだからもっと本格的なサスペンスになるのかと思っていたら、実際には宗教を背景にした一種の心理サスペンスにして、しかも“神の啓示”を通奏低音にして人間の罪業について考えるドラマに仕上げられている。

ノートンの仮釈放、デニーロの退官、その妻のデニーロからの解放といった具合に“解放”もキーワードとして理解できるようになっていて、通奏低音的テーマと併せてこじんまりとまとまった作品として観ることができるが、不信心の似非仏教徒たる僕にはピンと来ないところが多く余り感興が湧かない(以下、映画へのコメントにあらず)。

しかし、前世の罪業なんてことはともかく、去年の母の死より運命というのは確かにあるのではないかと思うことが多くなった。
 実は、母は83歳で死ぬと或る人から何十年か前に言われたことあると半月前に他界した父親に数年前言われた時「気を付けなければならないな」と思っていたのに母が4月に83になる昨年の段階ではそれをすっかり忘れて母は83になる五日前に亡くなった。昨年1月に息を切らしていることに気付いた僕が「83云々」を憶えていれば間違いなく気付いた次の日でも病院に連れて行ったと思うのだが、僕の忘却も母が83で死ぬ運命の中に組み込まれていたのではないかという気がするのである。
 勿論最初からそんな予言を信じない人が多数だろうが、我が家の場合占い師等に言われたことが尽く当っているので、僕も父に告げられた時には本当に真面目に心配したのだった。

他動詞としての"stone"には“ラリらせる”といった俗語的意味もあるけど、関係ないのかな。

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