映画評「キッズ・オールライト」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督リサ・チョロデンコ
ネタバレあり

ザ・フーのデビュー・アルバムに入っている名曲そして彼らのドキュメンタリーと全く同じ原題のドラマ。彼らの曲がどこかで使われているのかと思いきや、出てくるのはジョニ・ミッチェルと彼女の最高傑作と目されるLP「ブルー」の話題ばかりで、全く関係なかった。

大学進学直前の少女ミア・ワシコウスカと弟ジョシュ・ハッチャースンが、中年レズビアン・カップルに精子を提供した生物学上の父親に興味を持ち、調査の末に自然食レストラン経営者マーク・ラファローに突き当り、実際会ってみると癖はあるがなかなかの好人物で好感を覚える。
 やがてその事実に気付いたハッチャースン君の母親ジュリアン・ムーアも同じような印象を抱いて、始めたばかりの造園業を見て貰ったりするうちに出来ごころ的に男女の仲になってしまう。
 片や、ミア嬢の母親アネット・ベニングが彼の家を皆で訪ねた時にジョニ・ミッチェルで意気投合したのも束の間ジュリアンとラファローの関係に気付き、一家はガタガタになってしまう。

というお話は、全体としては子供のできない普通の夫婦に変えても十分成立し、それ自体寧ろリサ・チョロデンコ監督の旧作「しあわせの法則」同様定石的で大して面白味があるわけではなく、同性婚による一家運営という、今の日本ではなかなか考えにくい風俗的興味に尽きると言っても過言ではない。

しかも、監督自身がストレートではないということで、どうも男性に対して厳しく、アネットのラファローに対する最初の態度は先入観がありすぎ、また事件発覚後の他の家族の彼に対する態度も戴けない。
 彼としては思いがけない“家族の出現”に自分でも家庭を持ちたいという思いが出て来ただけで、家庭を壊しに現れた破壊者のように扱われるのは不本意であろうし、観ている一般(特に男性)観客も余り愉快な感じを受けないであろう。かくして、一家が家族の絆を確認し合う幕切れが全くすっきりしない。

演技陣は好調。しかし、ロマンティックな映画ではないとは言え、ジュリアンの腕のソバカスには些か興醒める。

同性愛ものは苦手。この手の作品は気の抜けた手抜きレヴューになることが多いので、ご容赦ください。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年07月14日 05:21
ねこのひげもストレートなので男には興味がありませんからな~

なんの映画だったか・・・女優のソバカスだらけの顔を見せられて、その上その女優がセクシーとか・・・・言われてもな~興ざめでしたな。
白人のソバカスの多さには驚きます。
オカピー
2012年07月14日 22:20
ねこのひげさん、こんにちは。

同じならレズビアン映画の方が観られますけどね^^;
同性愛がテーマで個人的に感心したのは「ブロークバック・マウンテン」くらいだなあ。
女性陣に人気のあった「ブエノスアイレス」とか全く受け付けられませんでした。

>ソバカス
その昔「赤い靴」に主演したモイラ・シアラーの胸元がもの凄いソバカスで、美しい映画の感動もどこへやら、と脚本家の猪俣勝人氏がベストセラーになった「世界映画名作全史:戦後編」の中で書かれていたのを思い出しました。

さすがに美貌で売っている女優さんで顔にそばかすのある人は少ないですが、そういう方でも胸元や背中や腕などにびっしりというケースはままありますね。
肌に関しては日本人というか東洋人は綺麗です。
zebra
2013年12月08日 01:29
DVDでみました。
>この手の作品は気の抜けた手抜きレヴューになることが多いので、ご容赦ください。
 ご安心をオカピーさん。そのために下品かつ厳しめのコメントしますから。
アネット演じたニック曰く
「家族がほしければ自分で作れ!」・・・
まあ そのとおりですがね。でもいいかえるなら

「ジュールズ(ジュリアン)を貪る権利があるのは私だけだ!私だけがジュールズの肉体を私の体臭フェロモンつけまくっていいんだ! それを てめえのペ〇スをズボズボつっこんで臭いをつけやがって・・・ジュールズのパートナーである ワ タ シ をなめてんのか!ジュールズのマ〇コに誓っても ゆるさぁぁぁん(激怒)」・・・これが正確なセリフです あっ そうか! そのセリフを言わなかったから アカデミー賞逃したんだな~ アネット残念!

マークラファロ演じたポールも このセリフ言ってたら受賞してたんですよ
「ジュールズ(ジュリアン)の肉体はむさぼられるためにあるんだ!ニック(ベニング)、あんた彼女を束縛しすぎて欲求不満にしてたんじゃないか!子育てのストレスは大変だったはずだ! オレが"伝家の宝刀"を抜いて ジュールズのマ〇コに ブシュッと刺し込み、激しいセックスでジュールズを昇天させて肉欲を満たさせて"マン"ぞくさせたんだ!オッパイもハリがあってベェロッベロッチュパチュパ 下品な音たてまくって 舐めまわして吸いつきまくったら死ぬほど反応してたんだ!感謝してほしいくらいだ!」

そう、このセリフ言わんかったから 助演男優賞を「ザ・ファイター」のベイルに取られたんですよ~ラファロ残念!

 以上、厳しいコメント言いまくりでした^^
オカピー
2013年12月08日 20:08
zebraさん、こんにちは。

最近のアメリカ映画は確かにこんな台詞が跋扈しているんですよねえ^^

適当に“好演”とか書いておりますが、二人ともオスカーにノミネートされていたんですね。知らんかった(笑)

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