映画評「ソウル・キッチン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年ドイツ=フランス=イタリア映画 監督ファティ・アキン
ネタバレあり

ハンブルクで大衆食堂を経営しているギリシャ系アダム・ボウスドウコスが、恋人フェリーネ・ロッガンが上海に派遣されることになってしょんぼり、税務署から滞納分としてステレオを持って行かれる不運の連続。
 が、彼女の送別会で知り合った料理人ビロル・ユーロルを雇ってちょっとした高級料理に方向転換、当初常連客から顰蹙を買ったものの、仮出所の条件として格好だけ雇った兄モーリッツ・ブライブトロイが盗んで来たDJセットを使ったパーティーで大儲け、その金で、彼の店を手に入れたい旧友を名乗る不動産業の告発でやってきた衛生局の要求を満足する店に改造するや雑誌に取り上げられて客足が伸び、腰を悪くしたことで知り合った医学療養士ドルカ・グリルシュと親しくなっていく。

という、諺【塞翁が馬】をほんの少し思い出させるお笑いの一席で、主演もしているボウスドウコスが自己の経験を基に共同で書いた脚本をファティ・アキンが映像化している。アキンとしては秀逸だった旧作「そして、私たちは愛に帰る」のシリアスさとは全く違う猥雑気味の喜劇で、一見とりとめない展開ながら実は布石を敷いて割合しっかり作られている。

のではあるが、僕がそうであったように眠気や不安など集中できない時に観ると全くとりとめない作品としか受け止められられない可能性が潜んでいることは否定できない。滅多に二回観ない僕がお話を確認する為に前半だけ見直したら案外ちゃんとしたお話になっていると判った次第。

良い意味でノンシャランな展開がお好きな人にお薦めしたいが、全体が猥雑で、男性役者陣が些か暑苦しすぎるので個人的には余り好かない。

“ソウル”と聞いて韓国の料理ものと思った人もいたようで。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年04月18日 05:30
ねこのひげは、タイトルを見たとき、ソウルフードというかニューオリンズのクレオール料理の話かなにかと思いましたよ。
ヨーロッパ映画にはこういうとりとめがない話が多いようで・・・・

ヨーロッパ映画といえば、こんど公開される『アイアンスカイ』というデンマークのSF映画がおもしろいですよ。
おもしろいといっても、映画の資金集めの仕方ですが・・・・
YouTubeで一部を公開して、資金の募集をして1億円を集めて作ったそうです。
デンマークとドイツでヒットしたので世界展開されることになったそうです。

第二次大戦に敗れたナイスドイツが月の裏側に隠れていて、ふたたび連合国に戦争を仕掛けてくる話だそうです。

歌手なんかでも、YouTubeで歌っているのが評判になってプロになるのがいるから、これからこの手法が増えるかもしれませんね。
シュエット
2012年04月18日 10:15
おはようございます。
トルコとドイツという二つの文化圏での葛藤をテーマに撮っていたファティ・アキンが「そして、私たちは愛に帰る」で、彼の中ではある一定のピリオドがついたんだなって、この作品を観ながら思ってました。
>男性役者陣が些か暑苦しすぎるので個人的には余り好かない。
猥雑さは、まぁお祭気分と言うことで…(笑) しかし、料理人のピロールさんはじめ暑苦しい面々でしたねぇ(笑)
これはこれで楽しめたファティ・アキン作品でした。
>“ソウル”と聞いて韓国の料理ものと思った人もいたようで
もう、いやぁねぇ~。ここまで韓流に汚染されている?!
オカピー
2012年04月18日 19:43
ねこのひげさん、こんにちは。

>クレオール
実際そちらを想像した方も少なからずいらしたようです。
僕は文字通り「魂」を想い浮かべたので、特に場所は考えなかったですね。

>YouTube
そうですね。
面白い時代になりました。
音楽ファンでもある僕なんかにはfacebookよりこちらのほうが意味があります。
これで映画を観る気はないですけどね。ただ、日本では手に入らない貴重なサイレント映画なんかあれば別です。
オカピー
2012年04月18日 19:57
シュエットさん、こんにちは。

僕はそこまでこの監督について解っていないので、そういう感想にまでは至りませんでしたが、むさくるしい男が何人か出てくるだけで少々げんなりするところがありました。
お話は、ちょっと復習したら割合良く出来ていたのに気付きましたけどね。

>韓流
いやはや何とも・・・(笑)

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