映画評「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」

☆☆(4点/10点満点中)
2010年アメリカ=イギリス=カナダ映画 監督エドガー・ライト
ネタバレあり

アマチュア・バンドのベーシスト22歳スコット・ピルグリム(マイケル・セラ)が、中国系の女子高生チャウ(エレン・ウォン)と知り合ったばかりというのに、理想的な女性ラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)と出会って夢中になるが、彼女には邪悪な元カレが7人もいて、そいつらをやっつけないことには真の恋人にはなって貰えない。しかも、チャウはそんな彼をしっかりと応援して協力する。

というお話は若い男性の恋模様にバンド・バトルをほんの少し交えているだけで何ということはないものの、それを原作のコミックそのままに擬音をつけて表現して個性を出している。しかも、彼らの戦いはコンピューター・ゲームの中で行なわれているようであり、相手をやっつけるごとにお金が降って来る。彼らはゲームのプレイヤーであると同時にゲーム中の登場人物のように扱われているわけである。

彼らが演奏する音楽はパンク・ロックであり、それにコミック、ゲーム、アジア系格闘技、といった具合に若者が好きな要素をごちゃまぜにして構築したような感じで、二十代くらいまでの若い人(の一部)には大いに受けそうだが、棺桶に足を突っ込み始めた年齢の僕は30分くらいで飽きて来た。

序盤は、スティーヴン・スティルス(クロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤングのメンバーと同じ名前)にヤング・ニール(勿論上記CSN&Yのメンバーでもあるニール・ヤングのもじり)といった名前が出て来て「音楽パロディーか?」とニヤニヤさせるものの長続きしない。

場面の続きも夢と現実の間のようであったり、ヒッチコックの「ロープ」よろしく人の背中でショット若しくはシーンを繋げるアイデアなどもあって少々興味が持てるが、中盤以降はきちんとしたコンセプトによりシーンの繋ぎが為されている印象が薄れて来て俄然つまらなくなる。

監督はゴキゲンなアクション「ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!-」のエドガー・ライトだが、この作り方ではターゲットが狭すぎる。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年03月16日 05:55
『ホットファズ』はよかったですけど・・・・
出来不出来が激しい監督のようで・・・・
材料はよくても料理の仕方を失敗したというところでしょうかね。
オカピー
2012年03月16日 13:08
ねこのひげさん、こんにちは。

出世作が「ショーン・オブ・ザ・デッド」という日本劇場未公開のゾンビ映画で、「ホット・ファズ」と本作と来れば、若者受けする作品の作り手であることは確かであるようです。
「ホット・ファズ」が初老の我々が観ても楽しめる作品になっていたのは、まぐれ当たりかな(笑)。

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