映画評「ハッピー・ゴー・ラッキー」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2008年イギリス映画 監督マイク・リー
ネタバレあり

「秘密と嘘」以来マイク・リーのファンは日本にも少なからずいるだろうが、本作は残念ながら正式には日本劇場公開に至っていない。ストーリーのないような作品だから恐れをなして配給会社が付かなかったのが実情か。

小学生教師サリー・ホーキンズは、同僚のアレクシス・ゼガーマンと同居中、人生を楽しく生きる為いつも笑顔を絶やさないようにしている。学校でのいじめ問題から発覚したある少年の家庭内暴力も学校を離れれば深刻に考えない。フラメンコと同時に自動車免許取得にトライするも、個人経営の教官エディー・マーサンの言うことを冗談めかして上達は覚束ず、それでもマーサンが教え続けるのは孤独な彼が彼女に気があるらしいからと終盤判って来るが、感情のコントロールが出来ない彼に彼女の方が愛想を尽かす。妹が妊娠間近になる一方で、少年の問題から知り合ったソーシャル・ワーカー、サミュエル・ルーキンと意気投合する。

といった日常を切り取ったエピソード群が、スケッチ風に断続的に描かれていく。

いつも笑っているサリーからは元気が与えられる一方、もっと真面目に他人のことを考えても良いのではないかと思うところがないでもない。尤も彼女も笑顔の下で考えていないわけでもなさそうなのが実態であることが後々感じられてくる。

序盤そちらのほうが気になると彼女の笑顔が不快になって楽しめなくなるのは必定だが、昨年から碌なことがない僕にはこの方式で生きて行きていきたいものだと好感を覚える。こういうさりげないタッチがマイク・リーはうまい。

出演陣は好演揃いで、主演のサリー・ホーキンズが抜群。

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この記事へのコメント

vivajiji
2018年12月02日 09:14
最近、とんでもない方面から
誤解されまして少々凹んでましてね。
私も人間ですからモヤモヤ感が
なかなか去らなくて、こういうポップで
出来のいい映画をとても再見したいですね。

>恐れをなして

そのニュアンスいただき。(笑)
話のないような話の作品って
けっこうあるし、ま、許容範囲を
広げないと本作の面白さは味わえない。
加えて、ホーキンス嬢ありきの映画ね。
オカピー
2018年12月02日 19:10
vivajijiさん、こんにちは。

>誤解
人間長く生きていますと、色々誤解されることがありますが、凹みますよねえ。
僕も色々ありましたし、今も継続中のものがあります。

>許容範囲を広げないと
狭量な人が多いです。僕は、映画においても音楽においても書籍においても、割合何でも行けてしまうほう。人生において、これ実に得なんですよ。

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