映画評「男たちの挽歌」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1986年香港映画 監督ジョン・ウー
ネタバレあり

四半世紀前に二挺拳銃のチョウ・ユンファに痺れた香港製フィルム・ノワールで、再鑑賞するつもりはなかったが、観ていなかった続編の予習の為に観ておくことにした次第。

贋札作りギャングの幹部ティ・ロンが取引先の台湾で罠に嵌って撃ち合いの末に逮捕され、兄弟分のユンファが台湾に殴り込みを掛けるが足に重傷を負って義足になる。出所して香港に戻ったティは足を洗うつもりだが、刑事になった弟レスリー・チャンは父の死も自分が出世できないのも全て兄ティのせいと怨む。
 彼らに代って今や組織のボスになったリー・チェーハンは何かと邪魔になりそうなこの三人をやっつけようとした為、最後には兄弟も協力して三人で凄まじい反撃に出る。

友情と兄弟愛を交えたお話は古い日本の任侠映画みたいなもので今観ると野暮ったい感じがするが、描写がぐっとハードボイルドでもたもたしていないのがヨロシイ。

今回観て収獲と思えたのは、ムード特に前半のムードが60年代後半から80年代にかけてのフレンチ・ノワールに似ていることが確認できたことで、本作で日本でも有名になった監督ジョン・ウーがフランス製の犯罪映画から影響を受けているかどうか知らないが、大変興味深い。

スローの使い方もバランスが良くリアル・スピード撮影の部分の迫力を増す効果が上手く出ている。この点に関しては彼の最近の作品よりずっと良い。ユンファの格好良さは言わずもがな。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

ねこのひげ
2012年01月11日 05:41
ねこのひげは、タイトルを見たとき、ブロンソンの『狼の挽歌』のアジア版リメイクか?と思ってました。
内容を観たら、日本の任侠物映画みたいで・・・・
たしか、ジョン・ウー監督が、対談番組かなにかで、フランスノワールの影響を受けたと語っていたと思います。
オカピー
2012年01月11日 18:03
ねこのひげさん、こんにちは。

内容は日本の任侠ものみたいで、序盤のムードは一時のアラン・ドロンの映画でも観ているよう。
ジョン・ウー監督もそうなんですか。
香港の監督にはイタリア映画の影響を受けたらしいジョン・トーという人もいますが。
2012年01月21日 14:45
プロフェッサー、こんにちは。

本作は大好きな作品です。あのクサいストーリーが私にはたまりません。
画も、あの台湾でユンファが単身乗り込むシーンは最高ですね。ハイスピードの使い方もいい。映画的な演出ですが、ベレッタを鉢に隠し、銃をいちいち捨ててゆくところがマタたまりません。爪楊枝をくわえているのもいい。

ウーはたしかにこの頃のがいいですね。

私は、ティ・ロン、ユンファなど役者も好きなので、リメイクは見る気になれません。

では。
オカピー
2012年01月21日 19:45
イエローストーンさん、こんにちは。

後年の「インファナル・アフェア」はもっと洗練されていますが、僕はスタイリッシュすぎてそれほど好きではありません。アナログ的ないやアナクロな本作の任侠のほうが古い人間にはぐっと来ます。
作りも整理されて短く、ウーさんのスローも上手い。
香港ノワールの嚆矢と言われるのもむべなるかな。

>リメイク
実にへたっぴです^^;

この記事へのトラックバック