映画評「ロビン・フッド」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年アメリカ=イギリス映画 監督リドリー・スコット
ネタバレあり

主役でないものまで含めるとイギリスの義賊ロビン・フッドは100作品以上に登場する大人気者で、比較的最近ではケヴィン・コスナーの「ロビン・フッド」(1991年)が有名。そういう意味ではまたかという印象が強いが、実際観てみるとロビン・フッドがそうなるまでのお話なので納得が行く。

12世紀末リチャード獅子心王が十字軍遠征から帰還中にフランス軍に倒される。王冠を持ち帰る役目を託されたノッティンガムの騎士ロクスリーがフランスのスパイ、ゴドフリー(マーク・ストロング)の襲撃に遭ってこと切れる前にロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)に王冠と自分の剣を託す。
 ロビンは王冠を王室に持ち帰った後剣を持ち帰るべくノッティンガムに向うと、領主である父親(マックス・フォン・シドウ)から領地と未亡人マリアン(ケイト・ブランシェット)の生活を守る為に息子のふりをしてほしいと頼まれ、引き受ける。強欲な新王ジョンはフランスの為に内乱を図っているとも知らず友人のゴドフリーを摂政に据えるが、ロクスリー卿の代理としてロビンは平等な社会を訴えてフランス軍と対抗すべく、乱れかかった北部の領主の心をまとめ、フランス軍が上陸してきた戦場に赴く。
 しかし、ロビンは勝利に貢献したにも拘らず偽称したとしてお尋ね者にされてしまい、かくして義賊ロビン・フッドが誕生する。

十字軍などの史実とロビン・フッドにまつわる諸伝説をうまく絡めて単純な割にがっちりしたお話に作り上げているが、日本のものを含めて時代劇の定石に従っているだけなのでそれほど面白いとは言えない。

10年ぶりのご帰還とは言えロクスリー卿の息子の偽称が村人にばれないのは何故かという疑問については、英国史に精通していないので解らないが、日本で言えば藩主の子息であるから本来「下に下に」の世界であって顔が解らなくても不思議ではない。しかるに、映画の中で村人が平気で顔を拝見しているので「下に」があったと思えないのも事実で、弁護はしかねますな。

お話の面白さでは、スコットの旧作である「グラディエーター」に劣るものの、あの作品がいかにもCG臭さが目立ったのに対し今回の映像はぐっと自然にして迫力を維持している。

ロビン・フッド以前の物語としてはクロウとケイトは些かとうがたち過ぎているのが残念。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年11月27日 05:49
ロビンフッドは、日本の水戸黄門のようなものですかね?
抑圧する権力を倒してくれる存在を民衆は待っているということですかね。
映画的には作りやすいということでしょうね。
ラッセル・クロウはいくつだ?でしたが( ^)o(^ )
オカピー
2011年11月27日 22:29
ねこのひげさん、こんにちは。

>水戸黄門
はい、日本でも水戸黄門は100人以上の役者がやっているそうです。
でも、ビギニングはないです(笑)
シュエット
2011年12月16日 10:09
のっけから
>ロビン・フッド以前の物語としてはクロウとケイトは些かとうがたち過ぎているのが残念。
あはは、この最後の一文が効いている!
劇場でもTV放映でも本作は見てません。なんか観る気しないもの。というのも上記の理由が一番!
ショーン・コネリーとヘプバーン主演の「ロビンとマリアン」までいくとこれはこれで素敵なんですけどね。10年後でもこの二人はここまではいかないでしょうねぇ。
オカピー
2011年12月16日 19:19
シュエットさん、こちらにもようこそ。

なんで今更「ロビン・フッド」なのかなあと思ってみたら、流行りの“ビギニング”ものでした。それにしては主役が少々老け過ぎではないでしょうかねえ。
「ロビンとマリアン」は元々老後のお話ですし、あの時のコネリーと今回のクロウは・・・ちょっと調べてみましたら・・・同じ46歳でした(笑)。

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