映画評「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」

☆☆★(5点/10点満点中)
2010年日本映画 監督・川村泰裕
ネタバレあり

いよいよ後編であります。

前作の最後で別に暮すことにした後、のだめ(上野樹里)は知り合いのヴァイオリニスト三木清良(水川あさみ)を応援する為にコンクール会場に行った際ピアノ部門で弾かれたラヴェルの曲に惹かれ、これを“先輩”千秋真一(玉木宏)と演奏する日を夢見るが、不運にもその曲は彼が女流ピアニスト孫Rui(山田優)と既に演奏することが決まっていて、彼女が見事に演奏してみせたことから、失意のどん底に落ち込む。さらに千秋の師匠でもある世界的指揮者シュトレーゼマン(竹中直人)の誘いを受けいきなり物凄いデヴューを飾ったものの、却って「これ以上の演奏は無理」と絶望に苛まれる。
 千秋は彼女が芸術としてのピアノ演奏に嫌気がさしていることを察するが、引き下がらずに切磋琢磨する道を選ぶ。

今度は正にのだめが主人公で、何故こういう形の二部構成にしたのかよく解る次第だが、楽しさから言えば断然前編に分があり、神妙とは言わないまでも、楽しい馬鹿馬鹿しさが激減したのは残念。尤も、いつまでもあの調子で行かれても手詰まりになって困る部分も出てきますかね。

シュトレーゼマンがのだめの師匠オクレールの考えに反する行為に出た理由も正確に推測できるだけの材料に乏しく、本人が最後に解説的な台詞を放つものの、もう一つしっくり来ない。

その部分を除けば解り易いお話で、演奏家ひいては芸術家に苦労はつきものだが、時に得られる喜びを目指して上昇しようとその分野に打ち込むのだ、という結論を打ち出し、上手く締めました、といったところ。

恋愛の道は音楽に通ず。本当かい?(笑)

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年08月16日 06:04
上田さんは、こういう楽しく馬鹿々しいのが向いているようで、現在流れているCMで、ペットショップで「ドーベルマンを9匹ください」というのがありますが、上田さんのとぼけた味がよく出てます。

しかし、暑いですね~たまりません。そちらでは暑いのを売りにしている市がありますが、さすがに暑いでしょう。
オカピー
2011年08月16日 16:21
ねこのひげさん、こんにちは。

暑いですねえ。
車の中はとんでもない温度になるので父親に面会に出かける時には出来れば30℃くらいであって欲しいのですが、8月には行ってからはこちらの希望通りの温度の日はありません。
32℃くらいでは最近は(何もしていなければ)涼しく感じるくらいですよ^^;

>「ドーベルマンを9匹ください」
ありますね。セキュリティ関係のCMだったかな?
2011年08月21日 01:25
オカピーさん、こんばんは。
この作品シリーズ、実はわたしファンです。
まず、クラシック音楽を身近にしてくれた作品として、楽団員という特殊な、一般にはセレブリティ的なイメージを、アルバイトをしなければ、生活できないような職業であることをリアルに描いている作品として、わたしは評価したいです(もちろん、フジテレビの商業戦略は基本にあるのでしょうけれど)。
日本でも、ほんとに補助金でまかなわれているような地方交響楽団の楽団員の人件費なんてまったくもって悲惨なものです。
確かに、おっしゃるように、わたしも前編のノダメが好きですね。TVシリーズのながれは、前編のながれです。

それにしても、こういった業界は素質のあるものとないものの差がはっきり出てしまうし、脚光をあびても苦しみ続けて芸域、芸術性を高めていかなければならない。かつ、実力と無縁な上部構造の確執も凄まじいものがあるようです。
逆にとらえれば、本物であれば、いずれは歴史的文化遺産としての価値が証される世界でもあるのでしょうね。

黒沢がドロンで撮る企画のあった「青い目のサムライ」は、クライマックスで、このオープニングでの「ベートーベン シンフォニー7番」を使う予定だったことを想い出します。わたしはこのノダメのシリーズで、この7番が大好きになりましたよ。

では、また。
オカピー
2011年08月21日 11:15
トムさん、こんにちは。

ほーっ、意外な感じも致します。
僕はコミックもTVドラマも観ないので題名以外は全く知らなかったわけですが、こんなドタバタだったんですね^^
その一方で、クラシックを身近にした功績は確かにあるようで、それでクラシック界が潤うという程でもないのでしょうが、世に出る価値はあったと言うべきでしょう。

どの芸術分野でも一流になり金を稼げるのは狭き門である一方、芸能人が書いた本が文学者が頭をひねって書いた小説の何百倍も売れてしまう現状もあり、世の中は一筋縄ではいきませんね。芸能人の中にも実際才能がある人もいるでしょうし、安易に批判もできないですが、話題性で売れてしまうのは困ります。

>「青い目のサムライ」
実現してほしかったですねえ。
クラシックにはさほど詳しくないので、ベートーヴェンと言えば3番、5番、10番くらいしか知りませんが、7番も良さそうですね。

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