映画評「アデル/ファラオと復活の秘薬」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年フランス映画 監督リュック・ベッソン
ネタバレあり

ジャック・タルディなるフランス人漫画家のコミックをリュック・ベッソンが映画化した冒険映画。

1911年、アデル(ルイーズ・ブルゴワン)という女性ジャーナリスト(作家)がエジプトに繰り出し、ラムセス2世の侍医のミイラを持ち出そうと試みるが、そこへ盗賊や宿敵の科学者が邪魔に入り、大騒動を繰り広げる。

「ハムナプトラ」シリーズを思わせる序盤だが、冒険活劇的なのはここまでで、彼女が帰仏してからはズッコケ場面が続くコメディー映画に変わるので、肩すかしを覚える方も多いだろう。
 僕には同じジェットコースター冒険映画でも「インディ・ジョーンズ」シリーズとは雲泥の差で評価できない「ハムナプトラ」シリーズの二番煎じにしなかったのは却って有難く、時に1960~70年代のフレンチ・アクション喜劇を何となく思い出させるズッコケを久しぶりに観てそれなりに楽しめた。

彼女がミイラの侍医をパリにまで持ち帰ったのは、死んだ者を蘇らせる力のある知り合いのエスペランデュー教授(ジャッキー・ネルセシアン)を使って蘇生させ、植物状態になっている妹を治癒させる為だが、間違って翼竜を蘇らせてパリを混乱に陥れた教授は逮捕されて死刑を待つ身になるし、連れて来たのが侍医ではなくて科学者と判明したのでアデルは大弱り。

ヒロインが色々変装して教授を連れ出そうとする長いシークエンスが本作最大の笑わせどころ。余り笑えないが、ヒロインものが幅を利かせる時代にこういう変化球は嬉しい。採点は出血大サーヴィスでござる。

細かいところでは、教授の扱いには相当疑問が残るし、最後にタイタニックが出て来るのは続編を意識したのか、気を利かせたつもりなのかよく解らないが、フランスに寄港したことはよく知られていないので、ピンと来ない。

ルイ・ド・フュネスが久しぶりに見たくなってきた(若い人は知らんだろうなあ)。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年07月31日 06:49
ねこのひげも、また二番煎じ・・・?と思っていたので・・・アラッ?でした。
フランスのコメディーのとぼけた味わいは好きです。
『冒険また冒険』は、とうじ人気絶頂のアリディも出ていて大笑い。
でも、ざんねんながらDVDも出てないんですよね。
VHSが擦り切れそうなので出してくれないかと思いますです。
フュネス。『大進撃』のとぼけた警官面白かったですね。(*^_^*)
オカピー
2011年07月31日 20:16
ねこのひげさん、こんにちは。

ベッソン・ファンにはひどく評判が悪いですが、フランス版「ハムナプトラ」より、こういう作り方が正解ですよね。

>『冒険また冒険』
観るチャンスがなかったです。
地上波にも衛星放送にも出ていないのではないかなあ?
レコードを持っていたので、主題曲だけはよく知っております^^)/

>フュネス
現在40歳未満の方ですと殆ど知らないでしょうね。
大袈裟で当たり外れが多かったですけど、どうも刺激ばかり求める作品の洪水に溺れそうになっている昨今、妙におとぼけ、ずっこけなんか見たくなります。
ねこのひげ
2011年08月01日 08:02
ねこのひげはフランスの静かなコメディーって好きなんですよ。
『冒険また冒険』は監督がクロード・ルルーシュだし、音楽はフランシス・レイ。主演がリノ・バンチェラなんですけどね。
なぜDVDにもならないのか不思議です。リノ・バンチェラがまじめな顔をしてギャグをやるんですよ。
最後にローマ法王を誘拐して身代金を要求するのがNGだったんですかね?
オカピー
2011年08月01日 17:31
ねこのひげさん、こんにちは。

>フランスの静かなコメディー
最近もフランス映画の輸入は数的にはそれほど落ちてませんが、何か受賞するようなタイプの作品か、リュック・ベッソンの息のかかった作品ばかりで、ちょっと困ったものですね。ベッソンは独禁法違反だな(笑)
本作もそのベッソンだけど^^;

>フランシス・レイ
ルルーシュ以上にフランシス・レイが好きです。60年代後半から70年代前半のレイは神がかって印象深い曲を書きましたね。
完全サントラのCDが欲しいなあと思っているのに販売されていません。レイのオーケストラでも後年のはアレンジが変わっているので、どうも。

>ローマ法王
宗教的に騒ぐほどのものではない娯楽作品「ダ・ヴィンチ・コード」も相当大騒ぎになりましたからね^^;

この記事へのトラックバック

  • アデルとドクター

    Excerpt: 「アデル/ファラオと復活の秘薬」 「ディアドクター」  Weblog: Akira's VOICE racked: 2011-07-30 11:31
  • アデル/ファラオと復活の秘薬

    Excerpt: フランスで人気のコミックス・シリーズをリュック・ベッソン自らが監督し映画化したファンタジー・アドベンチャーだ。エジプトとパリを舞台に、妹の為にエジプト王家・ファラオの侍医の作る秘薬を求める冒険が繰り広.. Weblog: LOVE Cinemas 調布 racked: 2011-07-30 12:22
  • アデル/ファラオと復活の秘薬/ルイーズ・ブルゴワン

    Excerpt: だいぶ前から宣伝していたこともあって期待値も高まっていたこの作品。「彼女が、戦う。かなり、強い。」という宣伝コピーもなかなか魅力的でしたね。リュック・ベッソン監督の13 ... Weblog: カノンな日々 racked: 2011-07-30 18:43
  • 10-174「アデル ファラオと復活の秘薬」(フランス)

    Excerpt: 5000年の居眠り  1911年。世界の不思議と秘宝を追う女性ジャーナリスト、アデルは、最愛の妹の命を救うため、古代エジプトの“復活の秘薬”を求めてエジプトへとやって来る。  やがて、カギを握るラ.. Weblog: CINECHANが観た映画について racked: 2011-07-31 12:53
  • ■映画『アデル/ファラオと復活の秘薬』

    Excerpt: リュック・ベッソンが自ら監督を務めた映画『アデル/ファラオと復活の秘薬』は、女流冒険作家アデル・ブラン=セックがフランス~エジプトを股にかけて活躍するヒロイン・アドベンチャー。 1976年に初め.. Weblog: Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ> racked: 2011-08-18 02:55