映画評「レギオン」

☆☆★(5点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督スコット・スチュワート
ネタバレあり

星はそれほど多く進呈しなかったもののちょっと面白い一種のダーク・ファンタジーである。

先日の「タイタンの戦い」にも似て増長する人間に呆れかえった神が天使に軍団を組ませて人間を滅亡させようと計画するが、大天使ミカエル(ポール・ベタニー)は人間への希望が捨てきれない。そこで救世主となるべき赤子を妊娠している女性エイドリアン・パリツキーが勤めている西部の砂漠のダイナーにやって来て、店主デニス・クェードや息子ルーカス・ブラック、たまたま居合わせた客たちを屋内に閉じ込め、天使に憑依された人間たちからの襲撃に備える。

ゾンビもどきのホラーに大仰にも大天使のミカエルやガブリエルが出て来るのだから可笑しくてたまらない。そして、序盤から中盤にかけて宗教的アイコンを言い訳にして砦スタイルの古典的ゾンビ映画の亜流でも作るつもりだろうと思っていたら――現にそれらしい場面がかなりあるが――終盤大天使同士の対決を繰り出すに至って作者たちは結構真面目に「失楽園」(勿論渡辺淳一のではなくジョン・ミルトンの)もどきの新しい宗教譚を作る気だったらしいと判り、かなりニヤニヤさせられる。

その心意気を買って素直にアクションを眺めていればそう退屈しない。一度馬鹿馬鹿しいと思ってしまうと際限なく退屈するだろう。

レギオンと言ってもガメラは出て来ない。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年03月31日 08:42
平成のガメラシリーズはなかなか良い出来でした。
しかし、最近、宗教というか神話がらみの映画が多いような。
『ナルニア物語』『ライラの冒険』『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』などなど・・・・
神や天使が人間臭く泥臭くなるのが面白いところというか、作り手の想像力の限界というべきですかね(~_~;)
オカピー
2011年03月31日 23:50
ねこのひげさん、こんばんは。

>平成のガメラシリーズ
良かったですね。
出来栄えから言えば、明らかに子供向けだった昭和のシリーズよりは大分上でした。

>宗教というか神話がらみの映画
終末思想がどこかにあるんでしょうね。
それが神や天使が直接出て来ない形では「2012」とか「ブラインドネス」等々になって表現されているんでしょうね。

>神や天使が人間臭く泥臭く
神は人間を自身に似せて作られた、とキリスト教では言いますが、本当は、人間が神を自身に似せて作ったはずです(笑)。

この記事へのトラックバック

  • レギオン

    Excerpt: 神に見捨てられた人間と天使たちとの闘いを描いたアクションスリラーだ。大天使ミカエルは神に背き、人間の善なる心を信じて主人公たちに味方する。主演は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のポール・ベタニー。共演に.. Weblog: LOVE Cinemas 調布 racked: 2011-03-31 01:20