映画評「バスビー・バークリーの集まれ!仲間たち」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1943年アメリカ映画 監督バズビー・バークリー
ネタバレあり

ミュージカル映画監督としてのバズビー・バークリーは中継ぎ投手クラスだが、振り付けや舞台演出で1930年代に大功績を残した人物である。

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第2次大戦中休暇で地元に戻った軍曹ジェームズ・エリスンがクラブで見染めたレビュー・ガールのアリス・フェイと恋に落ち再び出征する。
 その間に彼の父親ユージーン・パレットとエドワード・エヴェレット・ホートンが催した戦時公債パーティーで、ホートンの娘シーラ・ライアンの婚約者がエリスンであると知ったクラブが売り出し中の南米美人カルメン・ミランダはアリスに知らせまいと悪戦苦闘するも空しく結局はばれ、そこへ外地で活躍したエリスンが戻ってくるが、婚約は親同士と取り決めで本人同士は何とも思っていないと判って、めでたしめでたし。

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ミュージカルという以上にレヴュー映画だからきちんとしたお話を期待する人はまずいますまい。とは言え、中心となるお話より脇役であるはずのカルメン嬢をアリス・フェイと同じか若しくはそれ以上に扱っているのはバランスの悪い事甚だしくさすがに苦笑が洩れる。が、ミュージカル・ナンバー的にはいつも大きな帽子を被っているミランダの方が圧倒的に楽しく、特に書割りの模様が遠くから見ると巨大な帽子に見えるという辺りはなかなか面白い。戦時公債が絡んでいるのは時局的。

大団円後のレヴューもなかなか華やかでショットの切り替えに工夫が見られるが、主要メンバーが総登場する幕切れの顔だけが浮かぶアイデアは気色悪くて感心できない。

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クレーンを使って群舞を俯瞰で万華鏡のように捉えるのも10年前の秀作「フットライト・パレード」で試みて以来バークリーの常套手段となったものなのでこの時代の作品として感心するには及ばぬものの、出来栄えより手応えを感じるのは、やはり1943年当時のカラーとしては発色宜しく、かつ音声がステレオという理由からである。日本映画が限られたフィルムの中「撃ちてし止まむ」と言っていた頃にこの豪華さ!

ベニー・グッドマン楽団が出演して数曲披露するのはスイング・ジャズ・ファンにはお楽しみだが、恐らくバークリーが先に起用した「聖林(ハリウッド)ホテル」(1937年)でのグッドマンに比べると落ちるのではないかと思う。但し、指揮とクラリネット以外に二曲歌声を披露しているのは貴重なのかもしれない(グッドマンについて詳しくないので間違っていたら御免なさい)。

俯瞰のレヴューが万華鏡みたいと思っていたら、最後に本当に万華鏡アイデアが出てきました。あはは。

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