映画評「ピアノの森」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・小島正幸
ネタバレあり

コミックとTVドラマには関与しないことにしているので、音楽ドラマ・ブーム(?)の元となったらしい「のだめカンタービレ」の原作コミック及びその映像化作品については全く知らず、クラシック音楽が絡むドラマと言えば近作では「神童」、ちょっと昔の作品では「コンペティション」辺りが印象深い。「プライド」もスタートだけはコンクールものだった。本作はアニメだが、コンクールをハイライトとする作品としては「コンペティション」以来の本格派である。原作は一色まことのコミック。

家庭の事情で東京から田舎に越して来た小学5年生雨宮修平は有名なピアニストを父親に持つ為に幼い時から厳しい練習をこなしてきたが、元気な同級生一の瀬海(かい)に連誰にも音が出せないピアノのある森に連れて行かれ、海が猛練習を積んだ自分でも音が出せないピアノを軽々しく弾きこなし、しかも素晴らしい音色であることにショックを受ける。
 やがてそのピアノが事故を起こして挫折し現在は少年たちの通う小学校の音楽教師をしている阿字野のものであることが判明、教師は海が難物のピアノを弾くのを知って彼を育成したい気になる。野生児の海はショパンだけが何故か弾けない為に阿字野の教えを請うことにし、そのお返しとして学童コンクールに出場し修平君と競う羽目になる。

というお話は、引越しから始まり引越しに終るなどオーソドックスな構成、半ば子供向けとして(原作は大人向けらしい)無理をしていない印象があるのはヨロシイ。しかし、観客が一番気になるはずの海君だけが難物ピアノを弾くことができる理由が結局解らず終いで不満が残る。楽譜を全く知らずとも弾けるモーツァルト並みの神童故という風に解釈するしかないようだ。神に愛された音楽の申し子なのですな。その謎に比べれば森に捨てられながら腐らないピアノについて湧く科学的な疑問などどうでも良い。

いずれにしても、本当に素晴らしい音楽はルールに縛られない、という主題は伝わって来る。

お話以外では、同学年である海と修平の声質の差がありすぎて違和感を覚える人多数の模様。海を担当した上戸彩嬢責任論と修平を担当した神木隆之介君責任論に二分されているが、小学5年生であることを考えれば数年前に声変わりをした神木君の声は太すぎ、神木君責任論の方が正論だろう。

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この記事へのコメント

2012年06月07日 15:50
地元に根付いて学校の存在を特色づけていこうという試みは地域を活性化しようと言う平林フォーラムの思惑と合致し、大きな成果を収めた。本年(平成19年5月13日)も第3回木にふれよう平林祭りへ参加してもらうことが決まっている。今後とも平林フォーラムでは地元の知的資産と連携して地域を盛り上げてきたいと考えている。

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