映画評「夕陽に赤い俺の顔」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1961年日本映画 監督・篠田正浩
ネタバレあり

篠田正浩監督第3作は、寺山修司との2本目のコンビ作。

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女性一人を含む7人の殺し屋がギルドみたいなものを結成している。建築会社社長・菅井一郎が汚職を調査している雑誌社の記者・岩下志麻を殺すべく殺し屋仲介業の神山繁に殺し屋を選んで貰う。腕に大差のない七名が勝つと予想した馬に乗るジョッキーの帽子を落とした者が殺す権利を獲るという賭けをしている時にガンマニアの青年・川津祐介が勝ち馬に乗っているジョッキーの帽子を落としてしまう。

部外者なのにこれで決まってしまうというナンセンスを絵にかいたような展開で、それはともかく志麻嬢が菅井の事件に巻き込まれて心中に追い込まれた一家の生き残りであると知った川津は殺すどころか彼女の味方になり、雑誌社社長・西村晃から資料を略奪、殺し屋連中を仕留めるべく奮闘する。

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原作ものの前作「乾いた湖」から一部応用したようなところが見られるのが微笑ましいが、全体としては日活アクション特に鈴木清順辺りを意識したようなナンセンスぶりで、日活での仕事も多い山本直純を音楽に起用している為に益々区別が難しい。そう言えば、終盤の横移動も清順さんみたいだ。その一方、キスなど三か所ほど見られるマッチカットの使い方に篠田らしさがあるだろうか。

スリラーとしては志麻嬢を追う川津を仕事を奪われたと殺し屋が付け狙う二重構造がなかなか面白いものの、川津が早めに志麻嬢の味方になってしまう為にその面白さは限定的。残念。

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但し、ナンセンスを最後までほぼナンセンスで通せているのはこの当時の邦画がなかなか出来なかった部分なので評価すべきだろう。また、妙なところでスローモーションを使うといった文法無視もこの映画が破調の作品であるという宣言なので、批判するのは野暮である。

一種の洒落と思って見ることができる人には結構楽しめると思う。

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