映画評「ビー・ムービー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督サイモン・J・スミス、スティーヴ・ヒックナー
ネタバレあり

「みなしごハッチ」というハチの少年を主人公にしたTVアニメが我が邦にもあったが、こちらは圧倒的な物量作戦でハチの諸君が活躍するアニメ映画。

働きバチの若者バリーが大学を卒業すると死ぬまで蜂蜜工場で働かなければならない運命にゾッとして、強引に蜂蜜採取のレンジャー隊に加わって町に繰り出したのは良いものの、テニスボールから離れられなくなったのが原因でとんでもない冒険旅行に巻き込まれた末に花屋を経営するヴァネッサという人間の女性に助けられ、人間とは口を利いてはいけないという掟を破ってお礼の挨拶をしてしまう。

そもそもハチが人間と会話できるのが妙なのだが、とにかく本作の世界では当たり前のように話せるのであります。個人的には冒険的場面が多い前半がお気に入り。というのも、擬人化というより人間がミツバチになって世界を眺めるとこんな感じなのかなという楽しさがいっぱいだからであります。
 尤も、この時点で既にレールに乗った人生に対する揶揄が出ているので、必ずしも子供を対象にしていないのが解り、そのつもりで観れば後半も引き続いて楽しめるはず。

かくして二人が仲良くなって出かけた店でバリーは蜂蜜が人間に搾取されて大量に売られている現状を知って裁判を起こす。訴訟に勝ったらハチが働かなくなった為にアメリカ中の花が枯れ出し「これはいかん」とパレード用のバラを略奪して受粉させようと旅客機に乗り込むが、今度は出現したバリーにパイロットがパニックになって失神、ヴァネッサとバリーが飛行機を操縦する羽目になる。

という後半は、アメリカ人のお得意の分野である裁判、苦手な環境問題といった具合に、アメリカ社会を鋭く反映しつつも、風刺として扱いが露骨かつ定石的なので、前半に比べて失速気味。

スティング、レイ・ラオッタ、ラリー・キングが登場して、本人がアテレコをしているという楽屋落ちはアメリカ映画的ですこぶる楽しい。色々と皮肉られているのに喜んで参加してくれる彼らは実に大人であると言うべし。

味もそっけもないタイトルですが、B級映画という意味も兼ねたのかな。

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