映画評「ロバート・アルトマンのヘルス」

☆☆★(5点/10点満点中)
1980年アメリカ映画 監督ロバート・オルトマン
ネタバレあり

ロバート・オルトマンの日本劇場未公開の社会風刺劇。

フロリダのホテル、健康食協会の年次総会の一環で新会長選挙へのキャンペーンが行われている。
 選挙は83歳の今まで男性のお手つきがないローレン・バコールと、しかつめらしい言葉で改革を叫ぶ革新派グレンダ・ジャクスンの決戦模様だが、そこへホワイトハウスから大統領の言葉を伝えるべく派遣されたキャロル・バーネットがうろちょろと割り込み、彼女の前夫でローレンの宣伝係を務めるジェームズ・ガーナー、大物フィクサーを気取るドナルド・モファット、グレンダの声を逃すまいと録音をし続ける秘書、自らの健康食を売ろうと奇怪な行動をとる会長志願者、グレンダを性転換者と言い張る怪しい人物などが交錯、選挙は混乱する。

画像

オルトマン得意の群像劇スタイルだが、100分と尺が短く、キャロル・バーネットを狂言回しに据えて一人一人の描写を簡素化しているので面倒くさくなることもない代わりに見応えも少ない。

オルトマンとしてはロビイストとしての健康食協会を揶揄することでアメリカ政治を風刺するという意図があったように思われるが、いかにも直截すぎて深みがない。笑いにはローレン・バコールが目を開けたまま眠るというように悪乗りと言いたくなるものが多く、僕の印象としては初期の代表作「M・A・S・H」の手法に近いような気がするが、あの作品ほど上手く行っていない。

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この記事へのコメント

シュエット
2007年11月18日 15:05
本作は場末の映画館でアルトマン追悼上映会でみました。
案外楽しい小作品という印象持ちました。しかしフィルムがあまりよくなくて、今回本作も録画しているので改めて再見してみますわ。昨日冒頭は見れませんでしたけど「ジミー・ディーン」見たので明日付けで記事アップしますので、TB持参で後ほどあちらにお邪魔しますね。
オカピー
2007年11月19日 00:43
シュエットさん、こんばんは。

本作が日本未公開なのは、作品の出来栄え云々以前に、国によって制度の違う政治が絡むからでしょうね。それも大統領選くらい大きなスケールの作品なら、作者の知名度を考えれば何年か経って公開される可能性もあったでしょうが。

事実「オール・ザ・キングスメン」はアカデミー主要部門受賞作にも関わらず、公開までに約30年かかりましたし、「候補者ビル・マッケイ」が公開されたのもレッドフォードの人気と「大統領の陰謀」の強力バックアップがあったからだと思っています。

退屈はしませんでしたが、余りピンと来ない作品でした。

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  • <ロバート・アルトマンのヘルス> 

    Excerpt: 1980年 アメリカ 100分 原題 HealtH 監督 ロバート・アルトマン 脚本 ロバート・アルトマン  フランク・バーハイト  ポール・ドゥーリー 撮影 エドモンド・L・クーンズ 音楽.. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2008-11-18 21:06