映画評「レイヤー・ケーキ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2004年イギリス映画 監督マシュー・ヴォーン
ネタバレあり

多数の人物が出入りする上に妙に入り組んだ作りがガイ・リッチーの犯罪映画に似ていると思ったら、最初はリッチーを予定していたのが実現できず結局リッチーの映画群をプロデュースしてきたマシュー・ヴォーンが自ら監督に回ったという曰くがあるらしい。

名もなき麻薬ディーラー、ダニエル・クレイグがボスであるケネス・クラナムの命令で、その友人マイケル・ガンボンの娘を探し出すと同時に、100万ドルの麻薬を売りさばくことになるが、色々と渡り歩くうちにその命令に彼を官憲に逮捕させる裏工作が仕込まれていたことが判明、逆襲に出る。

といったお話だが、まず主人公が麻薬ディーラーという設定に困った。感興が湧きにくく、余程上手く作ってくれないと退屈するのが目に見える。さらに困ったことに僕の嫌いなナレーションによる説明が延々と10分も続くので、余り期待しないことにした。

しかも冒頭に記したように頭が冴えていない状態でないと把握できようもない人物の出入りの多さが気になり、フラッシュバックの多用も混乱を誘発する。
 が、ガンボン老人が現れてからぐっと展開の見通しが良くなったのは有り難く、そうなるとスタイリッシュな映像にも好感を覚えて来るのだから人間も現金なものである。とは言え、昨今の映画は、話の理解を助けるようにショットを組み立てるべき映画製作の本来の行き方とは逆の方向に進んでいて、本作もそのそしりを免れない。
 つまり必要以上に凝っている撮影や編集が多いわけだが鼻白むほどではないし、幾つか純粋に感覚の良い場面が見られる。セルビア人の殺し屋を狙ったスナイパーが逆に狙撃される場面は白眉。

言わずもがなの幕切れは意外な感じを受けるよりも、その為に全体を作ったのではないかと思え、苦笑が洩れる。一つの時系列で語れば実は結構単純な物語なので、帳尻を合わせようとしたのかもしれないが、効果があるとは言いにくい。

ケーキだけに甘い採点になりました。

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