映画評「サーカスの世界」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1964年アメリカ映画 監督ヘンリー・ハサウェイ
ネタバレあり

「地上最大のショウ」と「空中ぶらんこ」は観たが、これは観たことがないはずと観てみた。観ているうちに何だか観たような気もしてきたが、どうにもはっきりしない。監督は僕がTVの映画番組に興味を覚えた頃憶えた監督の一人ヘンリー・ハサウェイである。

自ら西部ショーのスターでもあるサーカス団の経営者ジョン・ウェインは、15年前に失踪した花形リタ・ヘイワースを探す目的も兼ねて欧州巡業に出るが、最初の巡業先バルセロナで船が横転して散財してしまう。

という序盤はサーカスの場面に始まりスペクタクルの連続で、船の横転で「ポセイドン・アドベンチャー」の小規模版が大変楽しめるのは、サーカス映画だけにちょっと儲けた感じである。

ウェインら一同は他のサーカスに雇われて金策する一方で、巡業先で新サーカス団の為にスカウトしまわり、やがて独立するが、その頃遂にリタが姿を現す。彼女は現在の花形クラウディア・カルディナーレの母親で、ウェインとの三角関係のもつれから夫が自殺した後失踪したのであるが、娘がこれを知って反目する。

画像

中盤以降はサーカスを舞台にした母ものメロドラマの雰囲気が濃厚になって余りパッとしないが、スペクタクルには楽しめるものが多い。

スペインではよく解らない原因で船が転覆するし、いざサーカス団を立ち上げようとすれば今度は火事が起こるといった具合にウェイン氏は不運な男を地で行くが、そうであればあるほど観客は満足する。などという皮肉はともかく、火事は母娘を和解させ、それは即ち自身とリタの関係にも好都合となるので、ウェイン氏にとっては終わり良ければ全て良し、といったところでありましょう。

但し、謎も多い。父親の死を巡る真相をクラウディアに解らせるように準備したのは誰なのか、或いは火事の原因は何なのか、ドラマの核心とも言える部分だけに全く解らせずに終わるのは甚だ不都合である。

色々と文句はあるが、最近の映画ではなかなか出会えないスムーズな展開には好感触。

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この記事へのコメント

2008年09月28日 21:02
こんばんは。
サーカス映画で、船が引っ繰り返るとは思いませんでしたね。
父の死の真相を知らせたのは、やはり、新しく雇ったピエロ(弟?)でしょうか。母子が和解したのを後ろから見てましたが、あれで、母子の仲を裂くのをあきらめちゃったのか?と、少しあっけなく思いました。
オカピー
2008年09月29日 01:41
ボーさん、こんばんは。

この作品にTBが付くとは嬉しい驚きです。^^

>サーカス映画で、船が引っ繰り返るとは
意表をつきましたね。中盤までは見せ場が豊富でした。

>父の死の真相を知らせたのは
他にいませんからそうなるのでしょうが、仰るように呆気ないですね。

ヘンリー・ハサウェイはまあ中級の監督で、与えられた仕事はきちんとこなす印象がありました。

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  • 「サーカスの世界」

    Excerpt: ジョン・ウェイン主演の、サーカスを舞台にした映画。 共演に、本作の前年に「ブーべの恋人」などに出演しているクラウディア・カルディナー... Weblog: 或る日の出来事 racked: 2008-09-28 20:34