映画評「女番長 野良猫ロック」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1970年日本映画 監督・長谷部安春
ネタバレあり

芸能プロダクションのホリプロが日活と組んで発表したシリーズの第1作。シリーズと言っても、共通する登場人物がなくストーリー上の関連性もないので、僕の定義する【シリーズ】には入らない。
 監督は、今まで敬遠してきたが最近注目し始めた長谷部安春。

ホンダCB750に乗る女ライダー、和田アキ子(アコ)が、不良娘・梶芽衣子(メイ)を乗せたことから、新宿で縄張り争いをしている不良グループの抗争に巻き込まれる。
 彼女たちは、暴力団・青勇会の為にボクシングの八百長試合を仕組んで失敗した為にリンチを受けたメイの恋人・和田浩治を工場に匿う。結局青勇会傘下の黒シャツ隊(藤竜也、ほか)の襲撃を受け、和田を殺された後、復讐を果たしたメイが銃撃で死ぬと、アコは何処へともなく去っていく。

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というお話は股旅もののヴァリエーションと言って良いが、「俺に賭けた奴ら」で八百長を強要されるボクサーを演じた和田が八百長を強要するというのがまるでパロディーで、楽屋落ち的に楽しめる。

長谷部監督の演出は梶芽衣子と和田の対話シーンで話している側だけをセミ・クロースアップにするという凝った画面構成を披露するなど、かなりテクニカル。
 それ以上に強烈な印象を残すのは殺しの扱いで、呆気なく死んだ和田浩治をさほど構わずに女たちが現場を後にする、といった具合に、日本的な情を極力排したハードボイルド・タッチが目を引く。この作品の見どころであろう。

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和田アキ子のオートバイと藤竜也のバギーによる追いかけっこも大した見もので、地下街への階段や歩道橋を降りたり昇ったりという「狼の挽歌」も真っ青の面白い絵づらがご機嫌である。
 その一方で、ホリプロ製作ということで、歌手でないはずのアコが突然歌い出したり、女心を見せるカラオケ・バック映像風場面に苦笑を誘われもする。

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風俗映画の面白味もあって、たっぷり描写されるゴーゴー喫茶(ディスコみたいなもの)の場面に注目したい。グループサウンズの人気者モップスやオックスはともかく、アンドレ・カンドレ(井上陽水=上の画像)の登場にはびっくりした。音楽ファンには貴重なんてものではないですぞ。

元祖「アッコにおまかせ」。

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この記事へのコメント

2007年09月24日 08:55
おはようございます。
アッコ姐さんが若い!
この「野良猫ロック」っていったい何本あるんでしょうか?
よくUHFで放映されてました(^^)
アッコさんご自分もよく「昔は吉永小百合に似てるって言われたのよ~」なんておっしゃってたけど、スタイルもいいし、結構きれい?なんですよね。
ケンカシーンなんて足が長いから映えるし。
細部は覚えてないけど、そういうシーンが蘇ってきますね。
ゴーゴー喫茶とかアンドレ・カンドレとか今見たらまた新鮮かもしれませんね~。
オカピー
2007年09月24日 14:08
しゅべる&こぼるさん、こんにちは。
このシリーズにコメントなんて、感心しました!(笑)

>野良猫シリーズ
は、長谷部安春監督で3本、藤田敏八監督で2本で、しめて5本です。今回全て観ましたが、第3作以外は面白かったなあ。80分台の上映時間でコンパクトに作られていて、確かにTV放映向きでした。

長谷部シリーズにはゴーゴー喫茶の場面が大量に出てきて、かなり貴重なライブ・シーンが見られます。第4作ではズー・ニー・ヴーの「ひとりの悲しみ」(「また逢う日まで」の原曲)が聴けちゃいます。これも貴重。

>和田アキ子
今よりは綺麗でした。(爆)
2007年09月28日 07:36
シリーズ今鑑賞中です~♪
来週くらいにTB送りますねー。
ゴーゴー喫茶って言うんですね。歌声喫茶って奴かと思ってました(笑)
アンドレカンドレの歌、かっこよかったです。
オカピー
2007年09月28日 23:30
映画のせかいマスターさん、こんばんは。

>TB
お待ちしております~♪

>歌声喫茶
あそこには踊る場所はなかったでしょうねえ。(笑)

>アンドレ・カンドレの歌
曲名は「カンドレ・マンドレ」と言います。この時代の曲も手元に何曲かありますが、かなりフォーク・ロックっぽい感じでしたよ。
しかし、嬉しい驚きでした。顔は余り変わっていませんが。(笑)