映画評「バトル・ロワイアル」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2000年日本映画 監督・深作欣二
ネタバレあり

2001年映画鑑賞メモより。

国会議員が過激な内容に規制法を作れと大騒ぎしている話題作だが、暴力の激しさより中学生が殺し合いをするという設定に議員が危機感を感じたのだろう。映像の過激さだけを取り上げるのなら、20年前のスプラッター映画のほうが断然上である。
 原作は、高見広春の同名の問題小説。

新世紀教育改正法の施行により年に一度全国の中学の一クラスが任意に選ばれることになる。
 ビートたけし扮する北野(笑わせてくれる名前ですな)の担当するクラスが選ばれ、42人の生徒が孤島で殺し合いを命じられる。はめられた首輪のおかげで逃げることもできず、危険地域が時間ごとに設定されている為嫌が上にも殺し合いになる。
 生徒に扮するのは、藤原竜也、前田亜紀、山本太郎、栗山千明、柴咲コウ、安藤政信、高岡蒼佑など注目の若手。

不愉快にならなかったと言えば嘘になるが、作者は若者の大人に対する不遜と大人の無気力に対しいらだちを感じているようで、その点においては共感できるものがあるし、多くの若者たちはこの作品から「生きろ」というメッセージを感じ取ったことが認められる。反面教師的な作品なのである。

後記・・・その年の9月11日に全米同時多発テロがあり、国会議員は映画への規正法についてすっかり忘れ去った。

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この記事へのコメント

トム(Tom5k)
2007年01月11日 21:29
オカピーさん、わたしの大嫌いな作品です。
不愉快極まりない、そしてやりきれない思いです。こんな内容の映画ができてしまうほど社会は荒んでいるのでしょうね。人間というのは追いつめられると、とことん疑心暗鬼に陥ってしまうのでしょう。

しかし、川田くんの過去のフラッシュ・バック、彼が殺した彼女の死に際の言葉には本当に感動しました。人間の美しさが描かれ、そしてそのシーンは本当に悲しかったです。

>暴力の激しさより中学生が殺し合いをするという設定に議員が危機感を感じたのだろう。
感じてくれただけ、まだ救われますよ。
このような映画を理解できなくなる時代(社会)を切に望みます。
『青い山脈』のような映画ばかりの時代、はやくこないかなあ。
では、また。
オカピー
2007年01月11日 21:52
トムさん、こんにちは。

私も内容は嫌いですよ。

>感じてくれただけ、まだ救われますよ。

危機感を映画そのものに感じたら、戦時中の検閲と同じものになってしまいます。それは困ります。軍人政権は、平和、自由といった言葉をとても恐れていました。
議員さんたちは、こういう作品が作られなければならない社会背景こそ危惧すべきで、映画を規制する前にそういう社会を作ることにこそ努力すべきですよね。
トム(Tom5k)
2007年01月13日 23:57
オカピーさん
わたくし、この映画にあまりのショックを受けたため、客観的な評価を持ち得ませんでした。
>議員さんたちは、こういう作品が作られなければならない社会背景こそ危惧すべきで・・・
全くおっしゃるとおりせすよね。
では、また。
オカピー
2007年01月14日 03:48
トムさん、こんばんは。

いやあ、トムさんから嫌われてしまったかとドキドキしました。
最近コメントに恐怖症になっておりまして。

私は生命に対しては異常なまでに過敏で、蝿などとても殺せません。踏みつける野草に手を合わせながら歩いているほどです。
昨今のひどいニュースは想像を絶します。人はそんなに簡単に他の生命(人間に限らず)を奪うことが出来るのか、と。
トム(Tom5k)
2007年01月14日 23:57
>オカピーさん、こんばんは。
お互いがお互いを尊重できる社会は未来には必ず来るのでしょうが、いつ来るのでしょうね。『バトル・ロワイアル』を生み出す原因は徹底して根絶させていかなければならないと思っています。
それから
>最近コメントに恐怖症になっておりまして。
とのことですが
恐怖感を早く払拭されることを願っております。
オカピーさんには、今まで同様に今後も映画を広く愛し、思ったことを精一杯に記事にし続けていってくださることを切に願っているところです。
『激しき戦闘の最中にも彼は冷静であり、大事変の真中にありても彼は心の平静を保つ。地震も彼を震わず、彼は嵐を見て笑う。』
(「武士道(第四章 勇・敢為堅忍の精神(1)補注)」新渡戸稲造)より
これはわたしのたいへん好きな言葉で、わたしの目指しているところでもあります。
しかし平静なオカピーさんなんて、つまらないかもしれませんね(笑)。
やはり熱い記事を期待しております。
では、また。
オカピー
2007年01月15日 23:18
トムさん、こんばんは。

書くことは難しいし、悪く書かれることも愉快ではありません。
ご存知かもしれませんが、駄作の一言で愛好者の反感を買いました。その気持ちは理解できないでもありません。
しかし、彼が素晴らしいと評していることが映画とは殆ど関係のない部分で語られているとしたら、それは趣味の差とは申していられません。
その辺りをコラム(?)に書こうとしております。
週末までには発表できると思います。
2007年01月17日 01:32
 オカピーさん、こんばんは。
 僕も特撮映画マニアに分類されるのでしょうが、決して褒めてばかりではありません。「フラバラ」(フランケンシュタイン対バラゴン)を冷静に見たままを書いたときには結構批判されました。
 自分以外はみな他人なのですから、意見が違って当たり前なんですが、どうもこのへんを分かっていない人が多いですね。「BR」もテロップが入ったり、雑な脚本になっていて、映画としてはあまりたいした出来ではありません。というか深作監督作品自体があまり好きではない(『仁義なき戦い』は好きですが)ので、巨匠と呼ばれていることにも違和感があります。深作作品では『仁義なき(1~5)』『蒲田行進曲』『火宅の人』『BR1~2』『柳生一族の陰謀』などを見ました。
 思ってもいない形で宣伝されたので、よりセンセーショナルにはなりましたが、それ以上ではありません。上映中、ずっと血が流れ続ける汚らしい作品だというのが実感でした。ではまた。
オカピー
2007年01月17日 03:49
 用心棒さん、こんばんは。
 嬉しいです、出かけてきてくれて。これからもお願い致します。

 テイストの違いは当然であるものとし、映画を観る基本については五月蝿く言いたいと思っています。
 映画はどのように観ても自由だと言われる人が多いですが、それはノーです。作者の掲げた主題と定めた狙いを無視して観ることなど言語道断でしょう。その達成度を測るのが映画批評です。厳密な意味でそれをやっているのは知っている範囲でそれを実践しているブログは私と用心棒さん、その他幾つかといった印象です。
 トムさんはブログでは極めて貴重な深い映画研究、これはまた骨の折れる作業で、私には真似が出来そうもありません。

 深作さんはどちらかと言えばB級テイストでしょうね。タランティーノが引用したくらいですから。日本人には珍しくアクション場面の馬力はありますよ。
2007年01月18日 01:43
 オカピーさん、こんばんは。
>アクション場面の馬力はありますよ。
 仰るとおりで、この人は「野獣」を撮らせたならば、きらりと光る監督でした。ドギツイ描写は晩年になって突然始まったわけではなく、昔からそういうのを売りにしていましたので、「BR」についてマスコミや国会で大騒ぎになった時には「何を今更騒いでいるんだ?この人は昔から変わってないじゃないか?」というのが実感でした。
 この人の作品は好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうね。ただこの人の描写は強烈ですが、暴力肯定はどの作品でもしていません。
 暴れ回っている彼のフィルムの主人公達も必ずと言ってもよいほど最後は痛い目に遭っています(自分かその近親者の死に立ち会う)し、空しさが漂っています。
 知り合いの中にはこの手の作品は家で見ることはタブーだったと言っていた者もいます。たしかに食卓でみんなが幸せになれる映画ではありませんし、深夜にこそっと見る類でしょうね。僕も映画館でこっそり観ましたし、WOWOWの放送も深夜に見ました。ではまた。
オカピー
2007年01月18日 15:33
 用心棒さん、こんにちは。

 私は悪くない評価を与えましたが、反面教師として観ない限り不快感に苛まれて仕方がない内容ですよね。
 最終的に形として現れた部分でそうした感情を覚えるのもむべなるかなですが、敢えてそうした点には目をつぶり、サスペンスの醸成、アクションのパワーなどを評価しました。点は点として、嫌な作品ですよ。
 「BR2」になると話がもう出鱈目で、辟易でした。

 深作作品では「柳生一族の陰謀」をもう一度観たいと思っております。
カズ
2010年01月02日 21:39
前評判は どうしようもないぐらいの反社会的ドラマ
実際見ると それほどでもなかったいうのが印象です
評判倒れ と思います
オカピー
2010年01月03日 10:59
カズさん、こんにちは。

>反社会的ドラマ
僕もそうは思えなかったです。

気分良く見られるとしたら異常を疑った方が良いと思いますが、
少なくとも洋画の「フェア・ゲーム」のどうしようもない不愉快さとは少し違う後味でした。

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