映画評「パニック・ルーム」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2002年アメリカ映画 監督デーヴィッド・フィンチャー
ネタバレあり

2003年の映画鑑賞メモより。

デーヴィッド・フィンチャーは「セブン」で映画史に名を残すことになった。個人的に余り感心できなかった「ファイト・クラブ」も評判が良い。そのフィンチャーの新作だけに期待も大きいが、スケールは前2作より小さくなっている。

離婚して傷心のキャリア・ウーマン、ジョディー・フォスターが11歳の娘を連れ、マンハッタンの広大な屋敷に越してくる。相当な金持ちらしいが、この屋敷の特徴は強盗などからの避難用に特別に作られたパニック・ルームがあることである。
 各部屋の様子を写すモニターや特別の電話、鋼鉄製の扉と万全の設備を誇るが、翌朝強盗3人組の出現で早くも出番が回ってくる。

序盤の伏線が彼女と不動産屋の会話だけで軽く処理されてしまうのは物足りないが、強盗はそのパニック・ルームの下に収められた資財を奪いに来たものの、一日違いで人が越していて大慌て、という設定である。

それ以降は密室ものらしく携帯電話やらモニターやら小道具が駆使されるわけで、見せ場はかなり豊富にあると言って良い。
 が、強盗団が足並みが全く揃わないものだから、最初からジョディーのほうに分がありそうなのである。この辺はスリラーとしては問題である。

最後は、強盗団の一人が折角手に入れた債権が風に飛ばされ唖然とするという、強盗映画では使い古された展開。何やら懐かしい気分にさせてもらいました。

この記事へのコメント

viva jiji
2006年10月25日 08:28
デヴィッド・フィンチャーもホンを書いたデヴィッド・コープも大好きなんですが本作は視覚的雰囲気が先行してお話の持って生き方自体「刃こぼれ」起こしながらって感じでしたね。
アタマッコ悪い犯人が実にお粗末クン。
あれじゃ「ホーム・アローン」じゃないの~~!って叫びたかった。(笑)
フィンチャーは「セヴン」「ゲーム」「ファイト・クラブ」すべて原作もイッキ読み。
ズルこいた(笑)「ファイト~」はあれは読み物として面白いんですわ。

プロフェッサーにまた「それは暗い」と言われそうですが、コープ脚本の「アパートメント・ゼロ」や「バッド・インフェルエンス/悪影響」好きです。
「カリートへの道」観逃しています。
フィンチャー最新作「ZODIAC(ゾディアック)」楽しみです。
ZODIAC=調べました。黄道帯、獣帯、十二宮帯・・・なんか意味シンですね。
オカピー
2006年10月25日 16:53
viva jijiさん
フィンチャーは「セブン」を観れば一目瞭然、映像派ですが、あの作品などはストーリーはしっかりしておりました。「ファイト・クラブ」はズルこいてしますし、「ゲーム」は種明かしがあって何ですから、やはり「セブン」が一番良いですなあ。
本作は犯人がきちんとしていれば面白くなっただろうに。

「ダーティハリー」の犯人のモデルになった人物がゾディアックという渾名で呼ばれていましたが、まさかその人絡みの映画ではアルマジロ(あるまいね)?
chibisaru
2006年10月25日 18:27
オカピーさん、こんばんは。
昨日は5000件もスパムTBがきて気が狂いそうでした(^^;
で、この作品、あえて犯人については何も書きませんでした(笑)
だって、書いたってしょうがないんだもん(笑)

ジョディー・フォスターをもう少し追い詰められたらもっと面白くなったかもしれませんね。
お父さんが一番痛そうで家買わされて、お金持ちとはいえ、なんだかとても可哀相になってしまいました。あの女の子は、ボーイッシュで可愛かったなぁ。
オカピー
2006年10月26日 02:03
chibisaruさん、こんばんは。
5000件! 経済的大損失です。初期には目的もあったでしょうが、現在では文字通り愉快犯化していますね、特に海外のものは。
お互い早く半角文字のTBは受け付けないという設定を設けて欲しいものですね。

しかし、(映画の話ですよ)犯人が弱いとスリラーは駄目だと、かのヒッチコックもトリュフォーも言っているでアマリリス(あります)。
そういう意味では、やっぱり失敗作なんでしょう。密室劇として楽しめた部分もありましたし、最後に証券が舞うのは昔は定石でしたが最近では珍しいので、ちょっと懐かしく嬉しくなったものです。
2006年12月14日 20:43
こんばんは。
>犯人が弱いとスリラーは駄目
正にそのとおりだと感じました。
まぁ私の場合、先入観があって別の期待があったので、今回はその点でも厳しい感想なのですけど。
証券が舞うのは懐かしく感じられましたか。いつもなら私もそうのように感じたかもしれませんが、またそのように心がけるのですが、今回はちょっと違和感が・・・
TBさせていただきました。
オカピー
2006年12月15日 03:59
イエローストーンさん、こんばんは。
>舞う証券
大昔なら「またやってやがる」てなものでしょうが、最近はこの定石を使う作品が少ないので懐かしかったです。とは言ってもそれで採点が良くなったなんてことはありません(笑)。
犯人が間抜けなので、違和感があるのでしょうね。

この記事へのトラックバック

  • #534 パニック・ルーム

    Excerpt: 監督:デビッド・フィンチャー 製作:ギャヴィン・ポローネ、ジュディ・ホフランド、デイヴィッド・コープ 、シーアン・チャフィン 脚本:デイヴィッド・コープ 撮影:コンラッド・ダブリュー・ホー.. Weblog: 風に吹かれて-Blowin' in the Wind- racked: 2006-10-25 18:21
  • 「パニック・ルーム」

    Excerpt: パニック・ルームと呼ばれる部屋。 Weblog: 取手物語~取手より愛をこめて racked: 2006-12-14 20:43
  • パニック・ルーム

    Excerpt: 監督:デビッド・フィンチャー共演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー、ジャレッド・レト 他ステータス: 日本版DVDあり予告編:Yahoo Moviesあらすじ:夫と別れたメグ(フォスター).. Weblog: Kristen Stewart News racked: 2006-12-31 20:50