映画評「奥さまは魔女」

☆☆★(5点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督ノーラ・エフロン
ネタバレあり

1964年に始まり日本でも人気のあり何度も再放送されたTVシリーズ「奥さまは魔女」の変則リメイクである。1942年にヴェロニカ・レイク主演で作られた「奥様は魔女」とは全く関係ありません。因みに、こちらもリメイクされるらしい。

映画が失敗続きの大根役者ウィル・フェレルがTVの人気シリーズ「奥さまは魔女」のリメイクに主演して人気回復を図り、自分が目立つように素人のニコール・キッドマンを起用するが彼女は本当の魔女、そこで二人の間に起きる奇妙な恋愛模様を描くという趣向である。

ところが、いかんせん、魔女が恋愛するという構図では面白くなることは期待できないのだ。
 彼女は魔法を封印しようと努力していて、魔法なしに首尾良く前進したと思っても、彼の前妻がやって来るとつい魔法を使ってしまう。恋愛につまづいても<いざとなれば魔法>ではサスペンスにはならないし、かと言って魔法がなければ魔女を主役にした意味がなくなる。

妹デリアと共同脚本を書き、監督をしたノーラ・エフロンは21世紀に入って完全にスランプである。設定自体が矛盾を抱えているのを別にしても、「恋人たちの予感」を書き、「めぐり逢えたら」を作った才女なのだからもう少し機微を入れることはできるはずなのだ。スランプか才能の枯渇か。

ニコール・キッドマンは今一番芸の幅が広い女優かもしれず、どんな映画に出ても無難にこなすが、本作は役不足である(映画が彼女より下という意味です。力不足ではないので勘違いしないでね)。相手役のウィル・フェレルは五月蝿い。
 彼女の父親にマイケル・ケイン、エンドラ役のベテラン女優にシャーリー・マクレーン。最近の定番的演技でありました。

フェレルが演出家ジェームズ・リプトンに答える「アクターズ・スタジオ・インタビュー」Inside the Actors Studioは実際にある番組で、解る人には解る楽屋落ちの面白さ。NHKで観たことがある人には楽しめたであろう。

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この記事へのコメント

みのり
2006年10月25日 09:23
オカピーさん、わたしはニコールがかわいかったし、マイケル・ケインが面白かったしで、なんとなく軽く楽しんでしまいました。 シャーリー・マクレーンは“地”みたい?なんて思ったりして…。
Lisa
2006年10月25日 10:08
オカピーさん
ニコール・キッドマンのサマンサはオリジナルTV版のE.モンゴメリーに似ている気がして見たんですが、ダーリン役はナンでしょうね!いくら「ダメ男に魅了される」魔女なんて設定でも説得力ないです。
人気TVシリーズをリメイクするストーリーがそもそもつまらない。
魔女物はけっこう好きで「魔法使いサリー」「魔女っ子メグ」のアニメなどよくみてました。ところでアメリカのTVシリーズで「ジニー」という魔女の出てくるのありませんでした?(よく覚えてないけど)

「恋人たちの予感」と「めぐり遭えたら」は何度でも見たくなる作品ですがほんとに同じ監督の作品とは思えません。
あぁ、素敵な恋愛映画がみたくなりました。
「トリスタンとイソルデ」でも見に行こうかな~!
オカピー
2006年10月25日 17:01
みのりさん、こんばんは。
ニコールは評価している女優ですが、彼女だけで持っている映画かなあ、という気がします。
本文にも書いたように<魔女の恋愛>という設定に構成上の矛盾がありますから、大枠として楽しめる話ではなかったです。
相手役がもう少し感じの良ければ、別の感想もありえましたが。
ケインとシャーリーは得意な役柄を楽しんでやっている感じ。彼らが主役ならもっとご機嫌になれたのに~(笑)。
オカピー
2006年10月25日 17:08
Lisaさん、こちらにはご無沙汰でした。
そうでしょう? 私も二人は似ているかなと思いました。ニコールに関しては合格点。
仰るように、矛盾を抱えた設定と相手役男優が駄目でしたね。
オリジナルのTVドラマが面白かったのは、サスペンスではなく笑いで勝負できるホームドラマだからなんですよね。
ファンもいるでしょうから大きな声では言えませんが、ウィル・フェレルは魅力なし。少なくとも恋愛映画向きの顔、タイプではないですね。
chibisaru
2006年10月25日 18:36
こちらにもお邪魔します。
ニコールは美人なのに今回はとってもキュートで可愛くて女性の私から見ても素敵でした。
なのに、なのに!
何故、ウィル・フェレルなんだ??
私の個人的な好みが入っていたから恋愛物として楽しめなかったのかなぁと思ったのですが、そうばかりでもなかったんですね(苦笑

>ケインとシャーリーは得意な役柄を楽しんでやっている感じ。彼らが主役ならもっとご機嫌になれたのに~(笑)。

あ、私もそう思います。
彼らだったら、もっともっと魅力的な話になっていたでしょうね。
オカピー
2006年10月26日 02:20
chibisaruさん、こんばんは。
恋愛は先が見えないことで起きるサスペンスだから、何でも自由になる魔法とは相性が悪い。魔法と相性が良いのは笑い。ホームドラマは喜劇向きだからちょうど良かった、という寸法。魔法は嘘と同じように、他人の為になるように使わなくては。
そこへ持ってきてウィル・フェレルではね。コメディーとは言え、恋愛劇の主役のタイプではないでしょうよ。この手は脇役は良いんだ(笑)。

ベテランのお二人さんなら洒落っ気がありますもん。天国から昔の監督さん、呼んで来ないと駄目みたいですよ。

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