映画評「堕ちた打撃王 ピート・ローズ」

☆☆(4点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督ピーター・ボグダノヴィッチ
ネタバレあり

1978年大リーグで一番古い球団シンシナティ・レッズが親善試合の為に来日、17試合を戦って14勝2敗1分であった。時差ぼけ醒めない当初の4試合くらいまで本調子が出ずに苦しんだが、それ以降は日本のオールスター・チームが全く歯が立たなかった。超弩級に強かった。その時の中心バッターだったのがハッスル(原題)と呼ばれたピート・ローズである。
 勿論日本でも大人気で、結局4256本も安打を放って引退した。
 ノーラン・ライアンの終身奪三振数5714、サイ・ヤングの511勝と並んで破られない大記録であると言われているが、イチローが最初から大リーグに所属していたら可能だったかもしれない。
 ところが、球聖とも言うべきローズが何を血迷ったかレッズの監督をしていた1987年に野球賭博をし、その直後に発覚して89年に野球界から永久追放の処分を受けてしまう。日本で言えば長島茂雄のような英雄だけに、海外の野球ファンである僕も少なからずショックを受けた。その87年ローズがやらかしたことを再現したのがこのTVムービーである。

ギャンブル好きのローズ(トム・サイズモア)が負けが込んで手に染めたのが野球賭博であるわけだが、肝心なその部分が解りにくい。彼を巻き込んだ人間を重点的に取り上げ、ローズのそこに至る心理が殆ど描かれていないので表面的になぞっただけに終っているのだ。彼が長い間真相を隠していたという理由もあるが、もう少し何とかならなかったのかという印象が強い。

監督が「ラスト・ショー」や「ペーパー・ムーン」という秀作を発表したピーター・ボグダノヴィッチだけに良い味を出している場面はある。彼にはもっとしっかりした作品を作るチャンスを与えてもらいたい。

最後に、人間としてはともかく、4256本という記録は大記録中の大記録だけに、何とか野球殿堂入りに道が開かれることを望む。

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